「論文」タグアーカイブ

超古い論文がスキャンされたもの

ちょっと古い文献を探していたのですが,どうやら印刷物は入手不可能っぽい.代わりに,スキャンしてPDF化されたものをネットで見つけました.

普通ならPDFで十分です.コピーする手間も省けるし,オフィスに書類の山を作る必要もない.さすがInternet時代,欲しい情報はいくらでも手に入る,便利な世の中になったもんだ.早速,PDFを開いてみると…



old document, unreadable

実物PDFをここに載せるのはちょっと問題なので,あくまでイメージをでっち上げたんですけど,こんな感じなのです.

そこに何か書かれているのは分かる.大文字,小文字の差くらいは判別できるような気がする.でもだからどーなんだっちゅうレベル.

そのPDFファイルにはコメントが挿入されており,スキャンした時点で既にこんな状態だったらしい.コピーの繰り返しによる劣化でしょう.しばし文書を眺めていたのですが,印象派の絵を鑑賞してる気分になってきたので,黙ってファイルと閉じ,そのままゴミ箱へと移動しました.

さすがInternet時代,こんなもの残しておいてどうするんだッちゅうモノまで,簡単に手に入ります.

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論文査読にまつわる噂など

weave

論文が世の中に公表されるには,第三者によるチェック,つまり査読の洗礼を受けねばなりません.誰が査読するかは論文著者には(基本的に)秘密なので,色々と胡散臭い噂話・都市伝説が存在します.以下,全部僕が聞いた話.真相は?

論文執筆者と査読者は,しばしばライバル関係にあります.同じような研究をチェックできるということは,その人も似たような仕事をしているということ.そんな人がライバルの最新の論文の査読をすることになったら?

その原稿には自分が長年苦労してきた研究のすばらしい成果が書かれています.これを出版されては今までの苦労が水の泡.敵に先を越されまいと妨害工作.つまり,査読レポートを何時までも提出せずに,その間こっそり自分も同じことをやって,論文にまとめてしまう.以下,物理学者Dr.Aのモノローグ.

論文を投稿したんだけどさ,一年間ナシのつぶて.そしたらさ,突然ライバルの****が全くおんなじ論文出しやがったんだ.あれ,絶対あいつが俺の論文を止めてたんだぜ.

Dr.Bは研究成果がとても実用的だと理解しつつも,研究成果は広く公表され共有されるべしとのサイエンティスト魂から,それを論文にまとめました.その査読結果を待っている間に知った衝撃的事実.

業界大手の****がさ,どうやら僕の研究成果をそのまま応用したような特許を申請したらしいんだ.おっかしいなぁ,なんであの事を知ってたんだろ.

ちなみにこういう特許が認められるかどうかは,国によります.

物理学者Dr.C,彼は投稿した論文中の物理公式が,その論文公表前に漏洩したと憤慨しています.おそらく査読者がこっそり盗んだんだと.その自衛策として彼は,

重要な結果だったら,査読に回す原稿にはわざと嘘を書いておく.例えば
E = m c 3
みたいに.

実際に印刷に回る直前に修正するんだとか.トラップかぁ,なるほどねー.これなら査読者のインサイダー容疑はバレバレです.

査読システムの限界は議論のあるところです.他人の論文の剽窃が査読で全く気づかれないまま出版されたり,もっと酷い話になると,コンピュータソフトでランダムに生成された論文モドキが査読を通過したり.

査読する側も人間だし,そもそも自分の仕事の合間にやってる,いわばサービス残業なんだから,ある程度は仕方ないと思うんですけどね.何故か知らないけど,今年はやたらと論文査読が回ってくるし,日本は盆休みっぽいし,何となく愚痴りたくなってこんな文章書いてます.

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煙を防衛すること

carnet

Carnetカルネ,つまりParis MetroとRER(鉄道)の回数券なんですが,使用済みと使用後が分かりにくい.自動改札機に通すと何やら印刷されるのですが,目立ちません.

地下鉄とRERを乗り継ぐ場合,同じチケットをもう一度改札機に通す必要があります.ポケットに手を突っ込むと,中から使用・未使用入り混じり合って5枚ほど出てくる始末.

利用済みはすぐに捨てればいいんですが,何故かポケットに入れっぱなしになるのは,コンビニでもらうレシートみたいなもの?


Parisでも禁煙が広がっています.特にレストラン内が禁煙になったのが嬉しい.同じアルファベットを使い,似通った単語も多い英語とフランス語ですが,微妙にニュアンスが違ってニヤリとすることがあります.

Defense de Fumer

「禁煙」ですが,Defenseなんて単語を見るとギョッとします.防衛?

Defenseですが,あまり馴染みが無いであろう用法があります.学位論文の最終口頭発表で執拗な教授陣のネチネチ質問を巧みにかわし,晴れて博士誕生.この最終過程がThesis Defense.なんだか「守りぬいた」という実感がわきます.

とある国際会議で,フランス人発表者が使った言葉に再び?

Incinerationはゴミ焼却とか言う意味で,彼の発表はおそらく「燃焼」と言う意味で使われていたと思うんです.でも僕が「えっ?」と思った理由.Incinerationと聞いて真っ先に思いついた意味が「火葬」なんですよね.

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最短記録,論文採択

僕のblogを知っている友人から,「食べ物の話ばっかじゃん」と言われたことがあるんですが,それなりに仕事関係は避けているのも事実.面白くないですしね.

そんなお仕事関係なんですが(避けてないじゃん),立場上「論文」なるもんを書くわけです.書いたら,それを論文誌というものに投稿するわけです.その後,覆面査読者のネチネチ攻撃を受け,それに耐えられたものは採択,そうじゃなければ棄却.それなりにタフな世界です.ちなみに論文誌にもレベルがあって,このネチネチ度が納豆の糸並みの高級雑誌から,さらさら無色透明カムカムえぶりばでぃな所も...(意味,わかんないよ)

覆面査読は,なんやかんやで一ヶ月程度かかります.怠慢査読者にあたったり,査読者数名をタライ回しにされると,数ヶ月かかることもあります.まあ平均2,3ヶ月と言う所でしょうか(あくまで物理系の場合).この辺り,結構面白い話があるんですが,あまり書くとやばいので…

さて,そんな論文を書き上げて物理学会誌に送ったのが先月末.まあ,秋までは返事が来ないだろうとノホホンとしてたら,突如編集者からメールが来ました.あまりに早いのは,大体不吉な知らせなんですが...

メールには「内容OK,修正の必要なし,このまま掲載

正直ぶったまげましたよ.投稿してたったの2週間で採択.ここまで短期間だったのは生まれて初めてです.共著の同僚と,この話をしていたら,彼がすばらしい推理.

「今丁度休暇シーズンじゃんか.きっと査読者がハワイに出かける直前に,この論文査読の依頼を受け取ったんだよ」

ありえる.ちゃんと読んでねーだろ,見たいな.

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学者・研究者相手のビジネスモデル?

最近では殆どの学術論文がオンラインで読めるのですが,稀に古いものを確認するのに図書館の書庫に篭ることがあります.そんな時の楽しみの一つが分野外の学術誌をパラパラとめくって見ること.ふと手にした未知の学術誌.これが酷かった.ざっと読んだだけですぐに誤字脱字が見つかる程度の内容です.手抜きここに極まれり.査読・編集をちゃんとやっているのやら.数だけ集めて掲載料収入で稼ぐ,学者相手のビジネスモデルなのかもしれません.

2,3年ほど前に,新しい学会誌が出来たという案内のメールが来たことがあります.インターネットの時代,印刷はもう時代遅れで,オンラインのみの学会誌なんだとか.まあ言っていることは正しいんですが,なんか胡散臭いものを感じました.その出版社のIPアドレスを管理している国を調べてみると,とてもサイエンスには縁の無さそうな所.これも論文業績が欲しい学者を相手にした,新規ビジネスでしょうね.多くの場合,研究内容の「質」を評価するのは難しいので,どうしても「量」で業績を判断されがち.

実際には,伝統ある学術誌がコスト削減とスピードアップ目的でオンライン版のみに移行することはあります.でも新しい学会誌となると,評価のしようもありません.概して酷い論文誌というのは「投稿するものは拒まず」な世界だし,オンライン版にしてしまえば紙媒体によるコストの制限も無くなるので,投稿論文数自体はいくらでも増やせます.比例して,掲載料収入も増えるし,需要と供給の関係が成り立つのなら,図書館で見かけたような酷い雑誌が,そのうちネットに溢れるようになるのかも.

同じように,何だか得体の知れない国際学会への招待状を頂いたこともあります.会議のスコープが,基本的に何でもあり.安直な学会誌論文に輪をかけて「来るものは拒まず」なのが国際学会ですが,ご招待ともなれば箔がつきます.たとえ大安売りで招待状を送りまくっているとしても.

おまけにこの参加登録費が馬鹿高い.これまた大量に研究者を集めて参加費で稼ぐ,新しいビジネスモデルなのかも.おそらくは,真っ当な学会ではちょっと発表できないような怪しげな研究発表が飛び交っていることでしょう.それはそれで楽しげではあります.

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