「論文」タグアーカイブ

気づかなかったSynchronicity

Berkeleyから女の子が夏季実習に来ています.ここでの仕事は彼女の博士論文の一部になるわけですが,日本と違って指導教官の縛りが少なく,学生の主体性に任せて学位論文を作成させるあたりはアメリカならではかもしれません.日本は大学の中での徒弟制度が根強いですからね.

Berkeley娘には僕が作ったプログラムを渡して計算させ,その結果がいかに「酷い」ものかを体験させるのが夏季実習の課題.いや,ほんとうの話.

それとは別に,今週はMichiganからの訪問客もおります.以前から知っている実験系の女の子ですが,学位論文に載せるために僕のプログラムを使って測定結果の解析を行っています.昨日,仕事が一段落して雑談モードに入っていたときのこと.Michigan娘が唐突にBerkeley娘の話を始めたので,「あれ,彼女知ってるの?」と聞いたら,

「うん,あたしの妹

え!?

そう言われて気づきました.姓が同じです.でもアメリカではよくある姓だし,そもそもFirst Nameで呼んでいたので,全く考えもしなかった(顔も全然似てないし...)

未だに女性は少ない物理の世界,そこへ姉妹揃って進学し学位を目指しているとは驚きました.理系環境で一緒に育ったのかもしれないし,別に何の不思議は無いはず.でも方や東,方や西からここLos Alamosへとやってきて,同時に僕が姉妹の研究の手助けをするというのは,やはりレアなケースかと.論文の謝辞に僕の名前を入れてくれるかな.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

肉食性出版社にちょっと付き合ってみた

相変わらず聞いたことも無い出版社から「論文出しませんか,お安くしときますよ」な営業メールが飛び込んできます.内容なんてお構いなし,オンライン版だけ出しといて投稿料で稼ぐ,predatory publisherとかpredatory journalと呼ばれます.日本語だと,ハゲタカ出版社.

Beall Listに,この手の出版社の一覧がありますが,名前を見ただけではごく普通の論文誌にしか見えません.こういう雑誌に論文書いて,それを業績リストに載せてる人って...政治家的には「いかがなものかと」.

さて新年早々,査読依頼のメールが舞い込んで来ました.しかも例によって聞いたことも無い出版社です.普通なら無視するところですが,論文のタイトルを見て,アレ?っと思った.

なんか見覚えあると思ったら,昨年某出版社から査読依頼された論文です.あまりに間違いが多いのでそれなりのレポートを送っておいたのですが,そのまま音沙汰無し.それが回り回って,肉食性出版社に流れ,運の悪いことに僕のところへ戻ってきたらしい.

普段なら査読の依頼も無視するのですが,今回ばかりはきっかり Reject のレポートを送っておきました.ちゃんと落とし前をつけとかないとね.

ま,どうせどんなレポート出したって,掲載するんだろうけど.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

狭い業界,知ってる他人

同僚が投稿していた論文の査読結果が戻ってきました.こんな結果だったと査読レポートが添付されたメールが転送されてきたのですが,その添付ファイルがMS Wordファイル.

まさかと思いつつファイルのプロパティを見たら,ファイル作成者の名前がしっかり出ております.本来なら査読者が誰か分からないようにしないといけないのに,これじゃあねぇ...

もっともレポートの内容から,薄々誰かは見当がついていました.狭い業界,匿名さんを続けるのは難しい.

論文にまつわる別の話題.以前僕が査読した論文,問題ありとのコメントを編集者に返しておいたら,その論文は掲載不可と判定された模様.ここまではよくある話.

しばらくして,別のジャーナルから査読依頼.なんか見覚えあると思ったら,先日の論文です.どうやら却下を喰らった論文をそのまま別のジャーナルに再投稿したらしいのですが,運の悪いことに同じ査読者に回ってきたということ.やっぱり世間は狭い.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

楽なオンラインカタログ,書庫の匂いがもたらすもの

へんなの
へんなの

65年前に書かれたレポートを探していると言われたので,職場の図書館のオンラインカタログからPDFをダウンロードして送ってあげました.超古い書類の多くがスキャンされて保存されているので,自分の部屋を出ることなく閲覧できます.

実を言うと,その65年ものヴィンテージレポートを検索したとき,最初に目に付いたのが開架書架の場所だったのです.PDFには後で気付きました.これは書庫まで降りてコピー取ってくるしかないかと思った瞬間,書庫のあの独特の黴臭い空気というか香りを思い出しました.

ネットがまだ普及していなかった頃,そういう資料を入手するには図書館まで足を伸ばすしかない.でもちょくちょく行くのは面倒くさいので,図書館用事を溜めておいて,まとめてコピーを取っていました.

書庫への階段を降り,動かない空気をかき分けながら目的の雑誌の棚へ行く.時にはそこに座り込んで論文を調べ,必要とあらばコピーを取ってくる.これで確実に半日潰れました.

そうやって図書館に篭っていると,必ず不思議なことが体に起こります.それは...トイレ(おっきいほう).これを専門用語で青木まりこ現象と呼びます.実際の青木まりこ現象は本屋にて出現する心理現象ですが,学術界隈では書庫でも起こるということを僕は確認しており,いつの日かこれを論文にしたいと思っています.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

時間浪費の論文査読

アプリコット
アプリコット

学歴詐称が話題になっておりますが,学術論文に掲載されました詐欺も結構あります.もちろん掲載されているのですが,投稿してお金払えば何でも掲載しちゃうような学術雑誌もそれなりにあるのです.最近では,何気にやばそうな国の何気に怪しげな出版社から,論文執筆依頼のメールが毎日のように来ます.もちろんSPAMなので,即ゴミ箱行き.

怪しくは無いけど品質に少々難ありな出版社から論文査読の依頼が来ても,その手のやつはあまり引き受けません.どうせ査読者が何を言ったって掲載するんですから.出版社としては「査読している」という事実だけが重要で,その結果は二の次.査読結果で論文を却下し続けてたら,雑誌として成り立たないから.

つい最近のこと,ある人から論文査読の依頼を受け,気が進まなかったものの,その人にちょっとばかり借りがあったので引受ました.出版社から送られてきた原稿を読み始め,まず最初のパラグラフで脳内大混乱.書いてあることがさっぱり理解できない.

それでも頑張って読み進み,なんでこんなことに時間を費やさなければならないんだと理解不能が次第に怒りへと変化し,論文結論で「...というわけで結果は合理的である」という文章に出くわして,頭のてっぺんから水蒸気がぴーーーっと出ましたよ.

過去にも酷い論文を査読したことはあります.ランキングするなら,これは僕の体験した論文の中で,ワースト2.相当酷いレポートを出版社に送ったのですが,どうせ何書いても掲載されるんだろうなあ.あ〜時間の無駄.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

お問い合わせにはご注意を

冬の木
冬の木

職場のメールアドレスはあちこちで公開されているし,論文にも問い合わせ先メールアドレスが書かれているので,時々全く面識の無い人からの問い合わせメールが舞い込んできます.普通は大学や研究所のメールアドレスなので,何処の馬の骨ってことは無い.問題はGmailとかのフリーメールを使っている場合.

スマホ用にGmailを使っている人は結構います.でも仕事上の問い合わせなら,ちゃんと職場のメアドを使いますよね.そこをフリーのメアドを使うんだから,ちょっと怪しい.

よくあるのは発展途上国の大学・研究所からの問い合わせ.職場のメールシステムがあまり信用できないのかもしれません.でもその先が問題.送信元はGmailとかYahooのメール,自分のことは何も書いておらず,突然本題に入る.「〇〇について教えてくれ」とか「□□はどうすればいいんだ」とか.

そういう場合,念の為にそのメールアドレスから名前を推測して検索します.そこそこ高い確率で本人の所属が分かったりするんですが,ほとんどがちょっとやばい系の国から.悪いけど返事できません.

さらに上を行くのは,いったい何処の誰かも分からない.何の質問してるのかも分からない.かつて最高だったのが,僕が書いた論文の意味が分からないから全部説明してくれとかいうもの.もちろん放置しますけど,論文の意味が分からないと言われた日にゃあ30センチくらい落ち込みますよ.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail

喋るスーパーコンピュータ

Oppensanta
Oppensanta

家族が観ていた日本の刑事ものテレビドラマを,パソコン仕事しながら横目で見ていました.僕が一緒に居ると,あれこれツッコミがうるさいと嫌がられます.案の定今日も「うるさい」を喰らっていましたが,だってねー,なんか言いたくなるじゃないですか.

人工知能を利用した犯罪捜査,その名もJames君.これってIBMのWatsonのパクリだろう.「Androidっていいね」って言うと聞こえないふりするっていう... < それはSiri.

ドラマに出てきたのは,なんだかよくわからない音声認識インターフェイス,大量に配置されたモニターに映し出されるあれこれ.HAL9000を彷彿とさせる,どことなく前時代的なコンピュータのイメージです.スーパーコンピュータのイメージって,いつまで経ってもあまり変わらないのかも.ちなみに実物のWatson君はさほど大きくないですよ.

以前調べ事をしていて,何とも物騒な論文を見つけたことがあります.原爆の計算をパソコンのスプレッドシートでやるというもの.学生にだって簡単にできると謳われていますが,そりゃManhattan計画当時の計算機からすれば,今日日のパソコンはスパコンどころじゃないレベルです.Oppenheimerだってびっくり.

それはそうと,前時代的スパコンのイメージというと,僕はバビル2世に出てきた電気チカチカしながら計算してるようなコンピュータを思い出すんですが,あれって出力は紙テープでしたっけ.いや,コンピュータが喋ってたんだっけ.

Facebooktwittergoogle_plustumblrmailFacebooktwittergoogle_plustumblrmail