「楽譜」タグアーカイブ

書き散らかしSchubert

Schubertのピアノ・ソナタは21番まであります。でも21曲あるというわけではありません。それはやたらと未完成の曲があるから。病に倒れて絶筆みたいな壮絶な話ではなくて,どうも途中で放り出しちゃったっぽい。

手持ちのSchubertのピアノ・ソナタ集は基本的に完成されたものしか収録されていません。未完成でも幾つかの楽章が完成されているものは収録されています。例えば第2番は3楽章まで入っていますが,終楽章は行方不明。

途中まで書き散らかして放置したとは言え,そこはSchubertの魅力に溢れた断片で,楽譜も探せば出てきます。上の楽譜は8番の4楽章であろう楽譜の最後。ぷっつりと終わってます。

こちらは11番の第1楽章,これもぷっつり。

そして15番。この曲は「Reliquie レリーク」遺作というニックネームが付いています。実際に遺作だったわけではなく,死の3年ほど前の作品。これまたぷっつり。

ぷっつり作品とは言え,こうやって出版されて残ってるんだから,Schubertのものならどんな断片でも欲しいという人が昔からいたんでしょうね。僕もなにか断片を残しておくとしよう。

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楽しい休日出勤

久しぶりの休日出勤,利点は幾つかございます。

まず建物の真ん前の駐車場が利用可。普段あそこに車を停めようと思ったら,6時出勤しないといけません。なんであんなに早くから働いてるんだ。

仕事中,音楽聴き放題。個室なので普段から聞けますが,やはり音漏れを気にして音量控えめにするとか,そうでなければドアを締め切ります。休日ならドアを開けたままでも全然OK。

メールでの中断無し。突然「これやって」なメールは来ません。絶対に来ないとは言い切れないんだけど,ほぼ来ません。えっと,今日,ちょっと来ました。土曜日なのに。

そして最大の利点,それはサボっててもバレないこと。

今日のBGMは,VivaldiのL’estro Armonico, 調和の霊感。よくまあこんなに似たような曲を大量生産したもんだと思いつつ,所々気になる旋律が聞こえてくるのが面白い。ついついスコアを広げてしまったら,もう仕事なんかになりません。

えっと,何のために休日出勤してたんだっけ。

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マタイ受難曲をピアノで弾いてみる

Jadassohn版
Bagge版

週末ながらも溜まった仕事を片付けようと,昼間からずっとパソコンで和文英文の作文しています。こういうときのBGMに便利なのは長い曲。CD一枚で終わると,次を選択するたびに,仕事が一旦中断しますので,数枚組の何か。今日選んだのはJ.S. BachのMatthäus-Passionマタイ受難曲。

正座して聴くような高尚な曲をBGMにしてよいのかというのはさて措き,うっかりスコアを開いたもんだから仕事中断どころじゃなくなった。3時間以上,楽譜とにらめっこ。そのうちスコアだけでは飽き足らず,ピアノ編曲版をネットから落としてきてしまい,もう仕事になりません

マタイ全曲を編曲したものに,Peters出版のJadassohn編曲と,Breitkopf出版のBagge編曲がありました。但し,Jadassohn版はレチタティーヴォが全て省かれていますので,かなり短くなっています。一方Bagge版は完全全曲版,さらに歌詞も書かれていますので,弾き語りできないこともない。

編曲そのものは,Jadassohn版のほうが弾きやすく書かれています。上の合唱の部分のように,Bagge版には指が届かない10度音程が出てきますが,Jadassohn版はテノールをオクターブ上げてこれを解消。

さらに全体的にBaggeは派手。終結合唱,Jadassohnに比べてBaggeは音量も増強され,劇的に曲を結びます。

Jadassohn版
Bagge

あれ,Jadassohn版,3小節目の和音が違ってる。

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フーガの技法を始めよう

J.S. Bachの大作,Die Kunst der Fuge,フーガの技法。少々とっつきにくくもあり,最高傑作なる名声も聞こえ,長年苦手でした。リタイアしてサンデー毎日な日々になったらじっくり取り組んでみようと先送りしていたら,昨年末,ひょんなことからこの曲に縁ができてしまい,ならばと真面目に聴(弾)き始めました。

以前からCzerny版の楽譜は持っていたのですが,真面目に取り組むにはと,ウィーンのDoblingerでHenle原典版を購入。GouldのCDしか持ってなかったので,改めてEmerson SQによる弦楽四重奏演奏と,Angela Hewittによるピアノ演奏のCDを購入。CDは今日届いたばかりなので,今夜(深夜)じっくりと聴く予定。

Gould版を聴きながら楽譜を追っかけたことも何度かあるのですが,最後まで集中力が続かずに諦めました。最後のフーガにある有名なBACHのテーマが最初に出てくる所がずっと分からないまま,今日まで生きてきたわけです。

この部分,Helneはそっけなくそのまま楽譜が続くだけですが,Czerny版は親切にもBACHの書き込みがしてあります。Henleの譜面に手書きでBACHを書き込み,改めて最初から演奏してみて,ようやくこの有名な箇所を聞き分けられるようになりました。

BACHが登場する193小節目から1ページ,フーガは未完のまま唐突に終わってしまいます。自筆譜では239小節まで続きますが,Czerny版は233小節まで。Gouldの演奏も,ここでぷっつりと終わりますが,自筆譜よりもこちらのほうが,ぷっつり感が良いような。

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Berkeleyで出会ったWagner

学生街には古本屋がよくありますが,Berkeleyで見つけたのは大きな中古CD,DVDの店.日本のDVD,それもかなりマニアックなものが大量にあり,それはそれで楽しげなネタになりそうなのですが,店内で写真撮るわけにもいかず,かと言ってネタ目的で買って帰るわけにもいかず.

でも僕がこういった店に入る目的はDVDでは無くて,楽譜です.たまに中古の楽譜を置いてあることがあるのです.案の定,この店にも音楽関連の本が少々おいてありまして...

そこで見つけたのが,WagnerのLohengrinのピアノ伴奏譜.このオペラを通しで見たこともないし,そもそもさほどWangerは好きでもないのですが,由緒正しきBreitkopf,買うしかない.$5なり.

このオペラで有名なのは第三幕への前奏曲,そしてそれに続く婚礼の合唱,つまり結婚行進曲.この超有名な結婚行進曲がWagnerの作だと知ってる人は,巷では少ないでしょう.

ちなみにこのBerkeleyの店,Vinylと入り口に書かれている通り,地下は大量のLPです.フランス人研究者の一人は歓喜して地下へと突進し,嬉々としてLP選び.店から全く出てこないので,放置してビール飲みにいきました.

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J.S. Bachの前奏曲の中にあるSchwencke小節

LilyPondでフルートの楽譜を作ってみる,の続き.ベタではありますが,Gounodの Ave Mariaを打ち込んで見ます.この曲の伴奏は,J.S. Bachの平均律Kravier曲集のC durの前奏曲が使われているので,Bachの楽譜も並べてみました.でもBachの前奏曲全くそのままではなく,上の色で囲んだ部分が追加されています.

ピアノを習う子供の定番教則本Sonatineアルバム,その中にオマケのように収録されているBachの前奏曲にも余分な小節があり,そこに書かれた「これはSchwenckeが挿入したもの」という脚注がずっと昔から気になっていました(全音楽譜出版さん,Schwenckeの綴が間違ってますよ).

Christian Schwenckeという人は知らないのですが,18世紀後半の音楽家のようです.小節を追加した理由は定かではありませんが,おそらくこの部分のBachのコード進行があまり滑らかでないと考えたのでしょう.挿入部分によってバスがF, Fis, G, Asと半音ずつ上がっていく形になります.また全体が36小節となり,4小節毎の構造がはっきりします.

Czerny版平均律にもSchwencke小節が含まれているのですが,Carl CzernyはSchwenkeより四半世紀ほど後の人なので,おそらく彼はSchwencke版を見ていたっぽいです.もしかするとCzernyも,ここはBachが間違ってると思ったのかも.Czerny大先生の編集が出てしまったら,もう取り返しがつかない.もちろん現在売られている原典版ではSchwencke小節は省かれています.

GounodがAve Mariaの歌を乗せたのは1859年,Schwencke小節込みの版なので,原典版の前奏曲を伴奏にAve Mariaを歌ったら途中でずれてしまいます.

Schwencke小節が有るのと無いのでは,どれくらい聞こえ方が変わるのか試してみました.まずは原曲.そしてSchwencke版

うーん,あんまり変わらんような気がする.

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