「楽譜」タグアーカイブ

16の後に来る13番

Beethovenの弦楽四重奏曲第16番の終楽章,チェロが愛らしい旋律を奏でる部分があります。今日ジョギングしていて,その旋律が頭から離れず,ついつい歩調も音楽に合ってくるもんだから,走りにくいったらありゃしない。

16番の四重奏曲は,Beethovenの最晩年の作品です。最晩年とくれば深刻・深遠で哲学的な音楽かと思いきや,なんとも軽い調子(に聞こえる)の不思議な音楽です。それ以前の13,14.15番が極めて重たい大作なのに比べ,体何があったんだと思うくらい。

Beethovenの場合,弦楽四重奏曲第16番を書いた後に,13番終楽章を書き直しているので,これが最後というわけではありません。でも最晩年の作品となると,白鳥の歌のセンチメンタルなイメージが付き纏い,実際名作が多いのも事実。

有名なMozartのレクイエムを筆頭に,Brahmsの「4つの厳粛な歌」,Bartokの未完のヴィオラ協奏曲,Bergのヴァイオリン協奏曲,Mahlerの10番の交響曲の断片,Brucknerの第9,Prokofievの7番などなど。

その一方でSchumannの最後の曲は,ちょっと変なピアノの変奏曲。Schubertに至っては書き散らかしとっ散らかしだらけ,おまけに彼の遺作を集めて「白鳥の歌」として出版されたりと,なんだかよく分かりません。

もひとつ変わっているのがChopinで,ピアノの詩人と謳われた彼が最晩年に書いているのがなんとチェロ・ソナタ。ヴァイオリン・ソナタの構想もあったらしく,一体どんな曲になったのだろうと興味は尽きません。

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深夜のだらだらしたピアノあるある

電子ピアノを買ってからというもの,夜の仕事を終えて寝る前,ちょい飲みしながら弾くことが増えました。音量が絞れるとは言え,派手に鍵盤をぶっ叩くのは流石にうるさいので,もっぱら静かな曲とか簡単な曲です。

楽譜棚から適当に一冊引っ張り出し,がばっと開いてそのページの曲をだらだらと弾くというロシアンルーレットをよくやります。初見演奏になりがちですが,それは弾いてからのお楽しみ。そんなだらけた弾き方をしてるときの,あるある集。

● 弾き始めてから,「あれ,この曲何調だっけ」と,慌てて楽譜左端をチラ見。フラット3つか〜,とか。

● 突如現れるD.S.(ダルセーニョ)に,うわ,セーニョは何処やねんとページめくりまくる。Codaは何処や,もよくあります。

● 曲の途中で調号が変わったのに気づかず,無調性現代音楽へ突入。

● 途中で右手がヘ音記号に変わったのに気づかず...以下略。

● 楽譜をいい加減に譜面台に置くと傾き,しまいにゃ落ちる。

● ページ押さえに別の分厚い楽譜(Beethoven Sonata集)をどさっと置くと,それが譜面台からずり落ちる。

● ふと気づくと,左足を椅子に上げて,半跏思惟像状態。

● 右手がフリーになった瞬間を見計らって,グラスをぐびっ。ただし水害の怖れあり。

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Henleの楽譜を透明シートで補強

以前もやったのですが,透明シートでの楽譜の補強,楽譜が増えてきましたので作業再開しました。とくにこの青っぽい表紙のHenleの楽譜は,お値段結構するくせに表紙の紙がしょぼい。長年使う楽譜ですので,補強が必要です。

使うのはこのConTactという透明シート。このロール一本で楽譜5冊分くらい。作業もだいぶ熟れてきましたし,メモを兼ねて試行錯誤の手順紹介。使用する道具は鋏と長い定規。40cmくらいのがあると便利です。

楽譜見開きのサイズより4cmほど大きめにシートを切ります。厚い楽譜の場合は,背表紙の幅だけ余分に。シートに巻きグセがついてますので少々大変ですが,そこはがんばるしかない。

上の写真のように置いたら,左端からシートの台紙を5cmほど剥がし,台紙にしっかりと折り目を付けます。

左半分を表紙の上へ折返すと,粘着部分が楽譜右端に少し当たりますので,そこをしっかりと貼り付けます。シワが寄ったり,気泡が入らないように注意。

楽譜下側になっている透明シートを引き出して,平らにします。

ここからが腕の見せ所です。定規をシートが表紙に貼られた部分に当てます。すでに剥がされて折り返された台紙を,ゆっくりと引きながら台紙を剥がし,透明シートを表紙に貼っていきます。

台紙を強く引くとシワになります。軽く2cmほど引いたら,手を緩めてシートのつっぱりを緩和し,定規でごしごしと貼り付けていく。粘着力はさほど無く,少しくらいならやり直しできるのでご安心を。

表の表紙を張り終えたら,裏返しに置き,楽譜の上下に下の写真の緑の線のように切れ込みを入れます。

はみ出した透明シートを表紙裏側へ折り込んで貼り付けます。これで表紙完成。

背表紙部分にもしっかりとシートを貼り,今度は裏表紙に上と同様,透明シートを貼っていきます。背表紙部分の貼り付けが緩くなりがちなので注意。

裏表紙に貼り終えたら,表と同様に切り込みを入れ,表紙裏側にシートを折り込みます。背表紙部分に余分な部分が残りますので,それを鋏で切り取ったら完成。

右はシートを貼ったもの。左は新品のシート無し楽譜。色は変わりませんが,粘着ムラはどうしても出てしまいます。まあでも,こうやって補強しておけば,表紙が手垢で汚れることも,ペラ紙表紙が簡単にぼろぼろになることもありません。しかもビニールシートなので,水害にも強い。

なんでピアノの楽譜に水害があるのかというのは,実際にピアノを弾きながら惨事を起こしてしまった人にしか分かりません。

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こんなサイン本もあります

世の中にサイン本は数あれど,指揮者がスコアにサインしたものは滅多にないでしょう。なんと,Mahlerの交響曲第6番のスコアに作曲家・指揮者のP. Boulezがサインしたものを頂きました。全く同じスコアは持っていたのですが,サイン入りは極希少です。

演奏家のサインと言えば,学生の頃はたまに貰いに行ってたことがあります。演奏会後,楽屋のほうでサイン会というか握手会というか,やってることがありますので,そこの行列に並び,コンサートプログラムにサインしてもらう。

そんなのが幾つかあるはずなのですが,はたしてどこへやってしまったことやら。捨てた覚えは無いので,本棚をひっくり返して探せば有名音楽家のサイン入りプログラムとかあると思うんですが。もしかしたら実家かな。

Mahlerが亡くなったのは,1911年の5月18日。つまり昨日が命日でした。6番の交響曲が書かれたのは1904年とのことなので,100年ちょっと前の曲になります。Mahlerにしては珍しく古典的な形式で書かれているように見える曲ですが,大規模なオーケストラに多彩な打楽器,しかも「ハンマー」まで飛び出すという独創的なもの。そもそもハンマーって楽器?

Mahlerの生誕や没後は,まだ切りの良くない数字ですが,来年は大物が控えております。それは

Beethoven,生誕250年

って,これ切りが良い数字?

まあなんかにこじつけて盛り上げようという商魂たくましいクラシック音楽業界なんでしょう。Beethovenの交響曲スコアは全曲持っていますので,コンサートに行くたびに持参して,指揮者のサイン集めしようかな。

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完成された未完成

ウィーンへ出張するたびに,Doblingerという楽譜屋さんに立ち寄ります。音楽の本場ウィーンの楽譜屋,さぞやすごいんだろうと思うことなかれ。勿論品揃えは豊富ですが,想像するよりずっと小ぢんまりしております。銀座のヤマハの方がずっと凄い。

今回調達したのは,BachのトッカータとSchubertのピアノ曲の楽譜。Bachの鍵盤楽器の楽譜はほぼ全て網羅したと思うのですが,トッカータは守備範囲外。弾くかどうかはおいといて,取り敢えず保存。

シューベルトのピアノ作品D.946は,3つのピアノ曲という身も蓋もないタイトルで呼ばれています。最晩年の作品で,親しみやすい旋律で書かれた名曲です。

でも僕の気を惹いたのはこの曲ではなく,D.916の2曲の方。そういう作品があるのは知っていましたが,どちらも中途半端に終わってしまい,楽譜は途中で唐突に中断します。シューベルトによくあるパターン。

この楽譜は,そんな断片を完成させ,ちゃんとした作品となっております。もちろん補筆部分が本当にシューベルトの意図したところかどうかは神のみぞ知るですが,途中でぶちっと切れるよりは心理的に安心できます。

編曲者が天国でシューベルトに出会ったとき,彼が何と言うか。おそらくは「あれは短すぎる。もっと天国的な長さにしないと」と言うんじゃないかと。

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Haydnのあけぼのは春

ここ数日,Mozartの室内楽曲をよく聴いています。昨晩からは弦楽四重奏曲。と言っても手持ちのCDはHaydnセットと呼ばれる14番から19番,プロシア王セットと呼ばれる21番から最後の23番。それに「飛び地」のHoffmeister 四重奏曲第20番の計10曲,CD5枚。

Haydnセットは実際にHaydnの作品に倣ってMozartが作曲したものですが,その最初を飾る14番 K.387は「春」というニックネームが付いています。春をイメージして書かれた曲ではないでしょうが,そう呼ばれるに相応しい明るさに満ちた曲です。

第4楽章はフーガを用いた凝った作りで,Jupiter交響曲の終楽章のようにフーガの主題が駆け回ります。

学生時代,クラヲタ友人が

「MozartはKöchel番号400以後しか聞かない」

と言って憚らず,僕も大体この意見に賛成なのですが,この14番K.387の四重奏曲は,四捨五入して400ということで例外の一曲です。

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