答はこの紙に書かれているらしい

知り合いの大学教授の訃報を聞いたのは二ヶ月前のこと.自分の職場とも縁のある方で,この地に散骨するために遺族の方々が訪問され,それに合わせて小さなセレモニーが企画されました.

セレモニーとは言え,お茶でも飲みながらざっくばらんに昔話を楽しむという趣向.でも参加者のレベルが凄かった.職場の重役や旧所長の面々.さすがにネクタイ締めて行きましたよ.

事前に「教授に関連して何か楽しい話題を用意しておくこと」の連絡があったのですが,そんな場で話せるわけありません.黙ってよっと心に誓って会場へ出かけましたが,念のため一枚の紙切れを持参.

昔話スピーチが続き,友人の一人が話し始めたときのこと.大昔に僕と彼がやってた計算に話題が及んで,やばいなー,こっちに振ってくるんじゃないかと危惧していたら,案の定名前を出して,

「あの理論の未解決の問題は,彼が答を知ってます」

なんて言うもんだから,注目の的です.

しゃあないと例の紙切れを取り出し,

「10年ほど前に,先生から『答はここに書いといた.これを計算しろ』と渡されたものです.でもこの数式,僕にはさっぱり分からないんですよね.なのでご家族の方々にお返しします」

コピー用紙裏紙に無造作に手書きされた数式,実はフォトフレームに入れて飾っておこうかと思っていたのですが,なんか怖い感じもあって止めておきました.10年も経ったのに,まだ計算してないのかって怒られそうで.

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