2007/07/29 日曜日

展覧会の絵Bauer版

カテゴリー: Music — LiLA管理人 @ 23:08:24

IMSLPでちょっと変わった楽譜を見つけました.Mussorgskyの「展覧会の絵」のHarold Bauer版.Bauerは前世紀前半に活躍したピアニストらしいですが,どこかで見た名前だと思ったら,Ravelの「夜のガスパール」の第一曲Ondineがこの人に献呈されています.

「展覧会の絵」はRavelの管弦楽版が有名ですが,原曲はピアノ独奏.独創的と言うか型破りな演奏技法で取りあえず難曲と言われますが,実はそれほどでもない.ピアノを大音響で叩きまくる,弾く人間にとってはストレス解消音楽です.それを聴かされる方はたまんないですけど.

Bauer版は,ハチャメチャな原曲をピアノ曲っぽく整理し,さらに音を加えて演奏効果をあげるようにしたもののようです.




これはCatacombaeの冒頭.上が原曲,下がBauer版.原曲はそれぞれにフェルマータが付けられ,テンポがはっきりしませんが,Bauerははっきりと拍子に乗っています.原曲3小節目にある,ピアノでは演奏不可能なcrescendoは落とされています.Bauer版9小節目,音が間違ってます…



Mussorgskyのピアノ曲の変態さの一つ,両手ユニゾンで単旋律を弾く.オーケストラではよくありますが,ピアノ独奏曲では滅多に見かけません.この譜面はBaba Yagaから.原曲(左)は左手オクターブ,右手は単音で,アクセントの強いグロテスクな旋律を弾きます.Bauer版(右)では,左手の音符を右に振り分けてますが,演奏はこちらが弾きやすい.




終曲Tor in Kiew.Czenryを幾ら練習しても出て来ないような,和音引っ叩き連続.原曲は左右の腕が逆向きに飛ぶので,弾いてるとラジオ体操のようになります.この音型,両方の腕の行き先を目で確認できないので,距離を体で覚えない限り弾きにくいです.Bauerの方は,もっとスマート.Beethovenの熱情ソナタの音型のように変えられています.




クライマックス.これでもかっちゅうほどの和音.原曲はドッゴーンと打ち鳴らす除夜の鐘状態.Bauerの方はもっと派手にアルペジオを使ってピアノを鳴らします.全体に原曲の粗野な部分を押さえてよりピアニスティックな面を強化した編曲でしょうか.


この記事を読んだかみさんから,「落ちはどこよ」とつっこまれました.

   
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