「Science and Computer」カテゴリーアーカイブ

図書館消滅

同僚との話題が職場の図書館に及んだときのこと。あの地下に仕事で使える机があるんだとか。そう言えば昔,書庫に籠もってた際,そんな机で古い文献を調べていたことがあります。でも今どき古い論文は目の前のパソコンで全て見ることができ,書庫に用事はありません。

書庫へ入ったの? と尋ねたら,そういう用事では無く,単に仕事場所を探してたんだとか。書籍はもう置いてないんじゃないかと言います。

確かにかつて図書スペースだった場所の本は,何年も前に全て消滅し,共用のミーティングスペースへと変貌しています。文献も全て電子化されて,書庫と呼ばれるものはもう無いのかも。

大学に勤めていた頃,あのカビ臭い書庫は,ある意味非日常空間でした。今日は気合い入れて文献を集めるぞと,書庫に半日籠もり,興味ありそうな論文を片っ端からコピーしていました。

ちょっと疲れたら古い雑誌コーナーへ。昔の音楽関連,コンピュータ関連の雑誌記事をぱらぱらとめくるのも楽しいものです。でも今じゃそれもネットのどこかにある話。

書庫は英語でArchive。古い電子情報を保存するのもアーカイブ。同じと言えば同じですが,あのカビ臭さだけは失われてしまいました。

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密室での内緒話

普段,オフィスのドアは開きっぱなしで,誰でもWelcomeとなっています。仕事中は必ずドアを閉めて引き篭もるタイプもおりますが,大体は開放型。オフィスで誰かと話していれば,声はダダ漏れです。

でもあまり人に聞かれたくない微妙な話をすることも,ままあります。往々にしてお金関係と人事関係,それと他愛も無い噂話。そんなときは,そっとドアを閉めるわけです。

ドアを閉めたら密室です。そういう状況でちょっとuncomfortableなのが,相手が女性の場合。そりゃなんもないですけど,締め切った部屋の中でひそひそ話ってのは,ちょっとねえ。

本日のひそひそ話は,とある海外の研究者の窮状。国の方針でプロジェクト存続の危機となり,今まで積み上げてきたものが砂上の楼閣となりつつあるとか。国立研究所なのでお国の都合に左右されるのは致し方ないとしても,ばっさり切るっていうのはねえ。

で,彼,どうすんの?との質問に「政府が変わるまで待つしかないわよ」

それもなんだかなあ。

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それならもうやったよ

先日Poland出身の友人とカフェで雑談していたときのこと。話題はR国の科学者の典型的な立ち振る舞いで,ちょっとばかし盛り上がりました。国民性なのか旧共産圏で生き延びるための精神構造なのか分かりませんが,何かにつけ「それはうちが先にやった」という言葉をよく聞くのです。そりゃスプートニクは先だったけど。

以前僕が大学で講演したときのこと。講演終了後,見知らぬ人がつかつかと僕に近づいてきて,君の講演は実におもしろかった。でもそんな計算ならとっくの昔に我が国でやった。ただ当時は鉄のカーテンの向こう側,西側には伝わらなかったんだって。

はいはい,と適当に聞いておきました。そんな昔なら,とんでもなく巨大なコンピュータを使ったって絶対にできないような計算です。ま,なんか簡略なのをやった人がいたんでしょう。

さらに別の機会でのできごと。とあるノーベル物理学賞受賞者の有名な理論があるのですが,あれは盗まれたんだと主張するR国人もおりました。当時は鉄のカーテンの向こう側で ...以下略。

実話ならそれなりのスクープでしょう。でもそれがスキャンダルになったと聞いたことはないし,似たような理論が偶然同時期に別の人から提案されても不思議ありません。オリジナル主張はほどほどに。

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なんでこれで動くのか分からない

以前作って長いこと放置していたプログラムがあるのですが,数日前から俄然やる気に目覚めて取り組んでいます。とある共同研究の一貫で書き始めたプログラムなのですが,なんとなくやる気全開にならないまま月日が流れていきました。

どれくらい流れていったのか。ファイルの日付を見て俄然としました。なんと3年前ですよ。2016年からずっと放置。共同研究者も,呆れを通り越して,すっかり忘れてるっぽい。

コンピュータ・プログラムって,自分で作ったものであっても年月が経ってると,何をしてるのかさっぱり分からなくなります。最近はそういうこともあろうかと,なるべく丁寧にコメントを入れるようにしてはいるのですが,それでも「なんじゃこりゃ」となることしばしば。

先程もパソコン画面を睨みつつ,うーむと唸っておりました。なんだろうこれ,なんでこれで計算できるんだろう。

僕は自分で書いたプログラムは職場の同僚・後輩にそのまま渡しています。使って便利という理由だけではなく,中を読めば何をやってるのか勉強になると思うから。教科書で勉強するより,ずっと効率が良いはずなのです。

でも残念なことに,中を見ようとする人は極わずか。みんな勉強しないなあと少々不満だったのですが,理由は別にあったようです。自分で書いたプログラムを自分が分からないのに,他人に分かるはずがないと。

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突然の高速英会話

「やっとドアが開いてた」

と,学生風お兄ちゃんがオフィスに入ってきました。なんでも僕の部屋のドアはいつも閉まっていて,不在がちなんだとか。会議に行ってることはありますが,ドアは大概開けっぱなしだけどなあ。

それはともかく,彼,自分は○大学の△で,□教授の学生で … と矢継ぎ早に自己紹介,それも超早口です。□の部分はなんとか聞き取ったものの,油断してたものだから,大学と名前はさっぱり。

聞き返すのも何だし,□先生の部分から○大学は推測,名前はこっそりと名札を見ました。

どうやら夏季研修で来ている博士課程の学生のようです。僕に用事があるとは思えなかったのですが,ほんとうに僕のところへ挨拶にきたっぽい。自分の仕事について超早口で語り始めたのでたまらない。

こういうときは,こちらがゆっくり話すことでスピードダウンを誘導できます。でも物理を熱く語り始めたら止まらないタイプには通用しなかった。

しばしば議論に付き合った後,「いまから会議あるから」とお引取り願いました。で,会議に行くふりして,ドアをぴっちりと閉める。

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誰にも言うなよ,と言ってます

「言うなよ,誰にも言うなよ」

そう言いながら,人事に関する噂話を教えてくれる,ありがたい同僚が何人かおります。噂とは言え,ほぼ確実な話。誰それがどこそこへ移動するとか,あのポストにはあの人が就く予定だとか。同じ職場内の噂話にとどまらず,海外の研究所の人事まで漏れ聞こえてまいります。

僕は基本的にそういう話題には興味ないので,右耳で聞いた声が左耳へと通過していくのですが,もしかしたらそれで口が堅いと思われてるのかもしれません。

数日前,別の同僚が僕のオフィスへ飛び込んできて,

「○○,管理職になるんだって?」

うっかり「ああそれ,正式にアナウンスあったの」とうっかり言ってしまったもんだから,

「なんだ,知ってたのか」

まあ知ってる人は知ってる,知らない人は知らない。人事ってのは裏で色々と微妙なことが蠢いておりますので,あまり関わらないほうがよい。

ところで管理職になるって,日本の会社では出世ということになっておりますが,こちらの職場ではちょっと違います。ある意味,研究者が研究を諦めるということ。マネージメントに入ったら研究なんてしてる暇はなくなりますので,それをやりたがる人と,やりたがらない人が結構はっきりと分かれます。

僕は極力やりたがらない派なのですが,この歳になったらそうも言ってられない。管理職ではないものの,そんな事務書類書きの日々が続くことが多く,最近じゃまともな仕事は自宅に戻った後です。

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