シベリウスの交響曲第6番を聴きながら、今まで何度この曲を聴いたんだろうと考えていました。一番数多く聴いた交響曲は、間違いなくマーラーの第9番。これはおそらく1000回近く聴いているはず。自分の考える最高の交響曲はこれ。
このシベリウスの交響曲も、そこまで多くは無いとは言え、数百回聴いたことは確実。全く有名ではないこの交響曲、なぜか不思議な魅力を持っています。隠れ6番ファンというのが結構居るという噂です。
初めてこの曲を聴いたのは、カラヤン/ベルリンフィルのLP。今時のわけぇもんは知らねーと思うが、昔あった30cmほどの円盤に音楽の溝が彫ってあるってやつ。7番の交響曲を聴きたくてLPを買ったら、裏面に入ってたのがこの美しい曲で、もっぱら6番ばかりを聴くようになってしまいました。
この6番、あまり好きな言葉では無いですが、「癒し系」交響曲かもしれません。標題音楽では無いので、特に情景を描写しているとかでは無いのですが、聴いていると北欧の湖、森、冷たい透き通った空気を感じます。曲の冒頭は、まだ夜明け前の凍った空気、前奏部が終わりハープの伴奏にフルートとオーボエが主題の奏でるあたりは、夜明けとともに湖から鳥たちが飛び立つよう。
3管に近い編成ながら、4楽章通しても30分足らずの小さな交響曲。全曲を通して統一された主題と、凛とした空気、終曲の祈りのコラールが静謐の中に消えて行くさま、おすすめです。特に寒い日に暖かいお部屋でどうぞ。