夢見る旋律

S. Prokofievは,「ピーターと狼」のような子供向け音楽から,グロテスクな旋律を含む近代的で難解な音楽まで書いた,ちょっととらえどころの無い人です.ソ連の難しい時代,自由に作曲できない中でも,それなりに自分の世界を作って行ったと言えるかも.

Prokofievは20世紀の作曲家ですが,まるでロマン派のようなメロディーの曲を幾つか書いています.Violin協奏曲第二番や第七交響曲など,どこまで本気で書いたのか分からないような「大衆受け」する晩年の作品も.

このViolin協奏曲第一番は,そんな捻くれた晩年の作品とは無縁の,独特のリリシズムをたたえた名曲.Prokofievがまだ26歳の時の作品です.この協奏曲に最初に出会ったのは,まだ高校生の頃.感受性の高いお年頃です.夢見るような第一主題を聴いた瞬間から,この曲のファンになりました.身震いするような背筋がゾクゾクするような感動には,感性がすっかり麻痺してしまった今日この頃では無縁になってしまいましたが,いまでも時折この曲を無性に聴きたくなる時があります.

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