音楽仲間との会話でたまに話題に出るのが,一番難しい楽器は何かというもの.もちろん,音を鳴らすのが難しい,曲を演奏するのが難しい,高音を出すのが難しい等,色んな意味がありますが.
音を鳴らすのが一番簡単な楽器,それはもうピアノです.どの音域でも,ただ叩くだけ.猫が鍵盤の上を走るのを見て,ワルツを作曲した人もいるくらい.音を出すのが難しいとなると,やはり管楽器でしょうか.
この手の話題だと,大体不幸自慢になりがちです.本当かどうかは知りませんが,さほど深刻で無い病気で入院している患者の間では,自分の病気が如何に珍しいものかという自慢話(?)の花が咲くそうです.似たような心理なのか,自分の楽器が如何に大変なのかという話題は何度も耳にしました.
もっとも管系の人間の意見は大体一致していて,難しいのはオーボエとホルン.ホルンは友人から借りて吹いてみましたが,全く音が出ませんでした.あの軟らかい安定した音で吹き続けるのは大変なんだそうです.
オーボエは息のコントロールが難しいとか(鳴らすための息の量が少ない),指使いが変態的とか,禿げるとか(?),色々大変なようです.とある漫画で,リードをいつも削っているオーボエ吹きが出て来ますが,あれは本当.僕の友人もいつも削っている奴がいて,「おまえ,いつ練習するん?」と突っ込まれていました.常時ナイフを持ち歩く,危ない奴です.
弦楽器はと言うと,きれいな音と正確な音程で鳴らせるようになるには時間がかかりますが,なんと言っても不幸なのは,ヴァイオリンとヴィオラのあの不自然な姿勢.長い歴史のある楽器なのだから,もうちょっと改良の余地があるだろうと思わなくもありません.
管弦楽奏者が鍵盤楽器についてよく言うのは「どうして2段楽譜を同時に読めるのだ」というもの.オルガン奏者なんて,足まで使います.単旋律の楽器からすれば,両手別々に楽譜があって,おまけに片手で同時に幾つもの音を出すのは難しいようにみえるんでしょうか.慣れれば大したことは無いのですが.
そんな事よりもピアノの不幸,それは孤独.基本的にソロ楽器です.管弦楽器はアンサンブルで楽しむのが普通.でもピアノを背中にしょっておいそれと合奏に出かけるわけには行きません.結果,一人孤独に家で練習.
「咳をしても一人」
夜中,どうしてもスムーズに弾けない部分を一人黙々と練習.傍らにはウィスキーのグラス.何度やってもうまく弾けず,思わずため息がでる.グラスの氷がカランと音を立てる.
「二十億光年の孤独に,僕は思わずくしゃみをした」
楽器もそうですがオペラでキャスリーン・バトルさんの映像をみてるとなんだかくるしそうでいたたまれなくなります。もちろん人よりなみはずれて声がでてるし、高い音もクリアしていますが余裕なしのとこまでふみこんでいますね。心臓にわるいなあ。
ホント、鍵盤楽器って孤独ですね。オーケストラに入れる楽器がうらやましいです。
チェンバロは通奏低音として必須なことが多いので、そういう意味ではよくアンサンブルに参加しますが、弦や管は、同じ楽器で何人も居るけど、鍵盤楽器はそこでも一人…練習後、同じ楽器の者同士であーだこーだ話しているのを見ると、共有できる相手が居なくて、一抹の寂しさを感じます。
ハインツ・ホリガーとか、宮○文○さんとか、じいっと写真の額を見つめてしまいます。あの吹くときの顔がいかんのでしょうか。額の青筋と、そのちょっと上は、やはり注目ポイント。木管の仲間は、フルート以外は、みんなヤスリだのナイフだの持ち歩いていましたね。これはいかん、それもいかん、って言ってリードをポイポイ捨てて、あぁ、もったいない、と思っていました。
ピアノは、終始自分が主役で(アンサンブル以外)、それはそれで楽しいけれど、持ち運びが出来ない。音が大きすぎる。という理由から、持ち運びできて一人で演奏できる三味線を数年前に始めてみました。お酒を飲みながら演奏できるのも良いところです。(管楽器だと、翌日、楽器が酒臭くなります)
ピアノをひく人が他の楽器を演奏する上での注意点は、in Cじゃないと苦しい・・・常に頭の中で変調するハメになる、ということでしょうか(少なくとも私はそうでした)。
Los Alamosでは、小さな星まで見えそうですね、そういえば。と言っている間にも、どんどん宇宙は膨張しているんでしたっけ。
私はフルートをちょっとだけやったことがあるんですが、あるとき友達のクラリネットを借りて吹いてみたら、殆ど音が出ませんでした。サックスに至ってはまるっきり。肺活量とかも関係してるんでしょうか。。。
最近、子ども達がバイオリンを始めました。練習を聞いていると楽しそうで思わず私もやってみたくなりますが、弦楽器は正しい音を出すのが大変そうに思えて、やる前から諦め気分です。その点、ピアノは下手でもとりあえず鍵盤押せば良いですから、やっぱり私はピアノを頑張ろうと思います。
ピアノは一人で完結できるところがいいと私は思っていたんですが、確かに孤独という言い方もありますね。そのうち子ども達のバイオリンと合わせるのが楽しみです。
オーボエの●つかきょーだいを思い出しました。
兄ちゃん元気にしているのかな
懐かしい マーラーの5番
とくさん,声楽は体が楽器そのものなので,ある意味一番難しいものかもしれませんね.どんなに頑張ってもダメなものはダメという所があるみたいで,自分としてはちょっと厳しいです.
Cembalopianoさん,チェンバロは合奏が多いですよね.ピアノの方が,アンサンブルに入っていても何だか特別扱いされることが多いかも.弦だけがピアノ抜きでこっそり練習してたりするし.別にこっそりしてないか.かと言って鍵盤楽器二台とかは,ますます演奏の機会が少なくなります.
まりさん,前頭部に力が入るからとか言ってましたけど,本当の所その相関関係はどうなんでしょう?誰か絶対に統計を取ってると思うのですが.
そうそう,リード削りって,削ったからといってうまく鳴るわけでは無いみたいですね.その日の天候によっても変わるようだし,楽器演奏家なのか木工細工師なのか,よく分からない人々です.
で,いきなり三味線ですか.確かに酒の席ではウケそうですけど,普通ならギターとかになりそうな所,三味線を押さえるなんてすばらしいです.僕も持ち運べないピアノを補完すべく昨年からフルートをやってますが,酒飲んでやると臭くなりそうですね.というか,標高の高いここで酒飲んでフルート吹いたら,貧血起こします.
ここ,夜空は奇麗ですよ.まるでプラネタリウム.天の川もくっきり見えます.
ビアンカさん,リード楽器は音を鳴らすのにコツがいるみたいですね.クラリネットやサックスはどっちかというと鳴らしやすいと思ってたんですが,そうでも無いんですね.
ピアノって叩くと鳴るので,ある意味音感を養うには向かない楽器です.その点,弦楽器は絶対音感が身に付きます.特に子供の頃からやるのは良いですね.お子さんが上達して,ヴァイオリンソナタでも弾くようになれば,ビアンカさんのピアノの腕の見せ所です.
ぱぶりーとさん,その辺りの人たちは,あまり良くしらんのです.
義弟がバイオリンを弾いていますが、このまえ、オルガンはずるい、指一本でTutti出すんだからさ〜、ですって。
ピアノの生徒に、余裕(時間の)があったら何か、オケの楽器をやるといいよ、って勧めています。ピアノはある程度上手にならないとアンサンブルもむずかしいし、オケとだったらソリストになるしかない。でも、オケの楽器なら、初心者なりにオケで、ドドドドソソソソって吹いて参加できる楽しみがありますから。
オーボエの人ってはげるんですか。じゃ、黒木くんもいつかはげちゃうのか・・・。
nyfさん,オルガンは鍵盤楽器のオーケストラですもんね.実際,オルガン弾きって小さな宇宙を奏でているようで羨ましいです.
そうそう,ピアノ以外に何か楽器ができるといいですよね.ヴァイオリンとピアノ両方だとちょっと負担が大きくなりますが,それでも微妙な音程の感覚とか,人の演奏を聞くこととか,音楽全般の練習になります.もちろん,オケに紛れ込んだりも…