華やかなピアノ奏法

派手なピアノ演奏といえばグリッサンドです。白い鍵盤を下から上、上から下へとダララララと滑らせて弾くやつですね。ピアノを弾いていると。横から友人がやってきて、「あれ、やってやって!」としばしばリクエストされるのがこの技。ただ、自分の記憶する限り、これをピアノの先生から教わった覚えがありません。

あまり古い曲にはグリッサンドは出てきませんが、M.Ravelはよくこれを使います。子供用連弾曲Ma Mere L’oye(マ メール ロア)にも使われていますので、子供が発表会でハッタリかますにはぴったりの曲です。

G. Holstの組曲「惑星」の天王星では、パイプオルガンのグリッサンドがあり、これは迫力。

白鍵をダラララとやるだけでなく、黒鍵のグリッサンドというのもあります。写真はやはりRavelの「水の戯れ」から。黒鍵グリッサンドもMa Mere L’oyeに出て来たと思いますが、楽譜が見つからないので未確認。

グリッサンドというのは、音を滑らせるという意味なので、必ずしもダララララっとやるだけではありません。黒鍵を弾いた直後、同じ指でその上下の白鍵に滑らせて弾くのもグリッサンドと呼ばれます。ちょっとインチキっぽい運指法ですが、慣れると便利。


指使いというのは、基本的に奏者が自由に決めて良いものです。練習曲の中には、運指法は自分で考えろと言って、指の数字が書かれて無いものもあります。もっとも、指番号が書いてあっても、大概はその通りには弾きませんけどね。

もう一つ、この写真はChopinの前奏曲の最終曲最後の部分。早いアルペジオで高い所から滑降してきて、梵鐘のような低音の強打で終わります。昔、Chopinコンクールで優勝者したDang Thai Son(ダン タイ ソン)は、この部分を独特な方法で演奏しました。

アルペジオで駆け下りて来た後、CとEの鍵盤を音をたてずに押さえ、Dの鍵盤だけをむき出しにした後、ゲンコツを使って引っ叩いたのです。大きな音量を得るためでしょうが、それ以上に視覚的印象が強烈でした。え、そんなのアリなの。楽器は大切にって、教わったのに。

2 thoughts on “華やかなピアノ奏法”

  1. グリッサンドって鍵盤の重いピアノで弾くと結構指痛いですよね。
    とくに、白鍵。小さい頃ふざけてやりすぎて、指の付け根から血がにじんできた
    ことがあります。

    下世話なレスですみません。

  2. 鍵盤が硬いと痛いですね.滅多に出てこない技なので,普通の曲弾いてる分には,
    白鍵を血で染めることは無いと思いますが...
    きちゃない話ではありますが,爪の周りを怪我していたときにピアノを弾いていて,
    なんかの拍子に傷が開き,鍵盤を「すぷらった」にしてしまったことがあります.
    血が滲むほどの練習とかとは,程遠い話です.

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