
先日出した論文の著者校正が戻ってきたので,ざざっとチェックしていました。最近は二日以内に校正して戻せとか言われるので,オンライン会議の最中にこっそり内職です。もっともコンピュータファイルで入稿するので,昔のような突拍子もない間違いはまず無いのですが。
原稿の一番最後,本論文のデータは著者によって公開されない,とあります。そう言えば論文投稿時に,データを別途追加情報としてオンライン公開するかどうかのチェックボックスがあって,そんなん面倒くさいと「しない」ことに。
それはそれで良いんですが,今度は「公開しない理由を述べよ」と書かれております。なんとその理由が論文に掲載されるらしい。
まさか「面倒くさいから」とも書けません。さてどうしたもんやらと考え,そう言えば他の人はどうしてるんだろうと,最近公開された論文をあれこれ見てみたら,理由がちゃんとありました。
「数式は全部書いてあるんだから,計算すりゃいい」
こんな理由でいいの??
良いのか悪いのか知りませんが,それで通ってるならそれでよし。真似しました。数式が書いてあったって,それを計算できる人なんて限られてるんですけどね。だって面倒くさいんだもん。








公開する場合は「公開する理由」があるのかしら。
で選べるようにしたら簡単だけど、
理由が興味深いとか、
科学者特有の面白い理由を知りたいとか、
統計をとって何かに活かしたいとか。
何にだろう・・・
Chieさん,公開する分には理由はいらないようです。そこの出版社は公開が基本なんでしょうね。他の場所だと,論文のおまけとしてデータをオンライン公開できるところが多いです。公開しない理由,なんかやばそうだから,とか書いたらどうなるんでしょ。
「~で選べるように」の~に「チェック」を打ったんですが記号がきえてました。すんません。
Chieさん,機種依存文字は使えませんです。
面倒だから記載しない、面倒だから計算しない。
それでも、検証などのために計算する人もいるんでしょうね。
ポージィさん,いますねえ。僕もやるときゃやります。計算結果を再現できないことも多々あるんですけどね。この論文,なんか間違ってんじゃないかなあって。
地球科学系の論文誌だと、データ公開はほぼ論文出版の必要条件になりつつある風潮です。でもTByteオーダーのデータで仕事している人もざらなので、そんなデカいデータをどこに置いとくのか、そんなものを欲しい人が現れるのか、という疑問は皆うすうす感じています。
私の場合はほとんど地球観測衛星データが元ネタで、これはNASAとかが無料で配っているので、その出所を書けばいいだけなんで簡単ですが。元データをどうやって解析すればいいのかは、それこそ論文に式が書いてあるわけですしね。
Hiroさん,そちらの分野は先行してるようですね。実験の人たちだと,データをどっかに集めておくというのはありますが,昨今の超巨大測定実験だと,まさにTBオーダーになるようで,ハードディスク復活かとか言ってます。それを郵送して,保管する金庫でも作るんですかね。
いや、ぜひ「めんどくさい」と書いてください。わたしが分野の大きく異なるLiLAさんの論文を引用する、またとない機会となりますので。
なんでもかんでも生データをだせ、ってのが最近の風潮ですが、ハイジャック予防措置程度でしかない、ってのが実際の感覚ですね。目的は再現性の確保とごまかしの予防なんでしょうけど、多くのまっとうな研究者の労力を10倍増やす代わりに抜け道を探す人はいくらでも方法を見つけるというバランスとコスパの悪さ。無意識に非科学的なことをやっちまう人は無意識に非科学的な10倍の労力を費やしますし。英語でりごーりごーと叫んでますが(rigorous という意味)、東洋での理合の真意を伝授してやりたいものです。
missssyさん,”These data are not available since the aurhors’ mendokusai policy”って書いときゃバレないかも。実験系の論文だと,やばいことやっちゃった人が過去にいるので捏造防止もあるんでしょうが,理論系の論文の計算結果を誰が欲しがるんだって思っちゃいます。そもそも論文中の計算間違いなんて日常茶飯事だし。昔,出版されてる論文の計算をなんとか再現しようとがんばったんですがだめでした。でもその結果をある数値で割り算すると,不思議とピッタリ合うんですよねえ。
ところで,離合って言葉は九州の方言だそうです。
確かに九州出身の方のブログに離合という言葉がよく出てきて、前後関係から意味は分かるものの、知らない言葉だなとおもっていました。なぞが一つ解けてうれしいです。
missssyさん,僕は普通に使ってたのですが,まさか方言だったとはと驚きました。九州の山道を車で走るとき,離合の技は必須です。