割り切れない音楽

明日から1週間程Aspenに滞在する予定なので、その前に一つだけエントリしておくことにしました。出張先でblogの更新ができるかどうか、そもそもネットが使えるかどうか分からないし。もし使えるのなら、Aspen滞在記なんかを書くかも。

TAMAさん@合衆国の片隅から頂いたコメントにあったDebussyのアラベスクをヒントに、ネタを絞り出しています。知ったかぶり音楽シリーズ、そろそろネタ切れか?

アラベスク1番の最初のあたり、左手は8分音符、右手は三連符を同時に弾く部分があります。つまり左手で2つの音符♪♪を弾く間に、右手は3つ♪♪♪弾くことになり、最初の音符は左右同時に弾きますが、後の部分は微妙にずれることになります。そのずれは1/6拍。

こういう「割り切れなさ」はDebussyのような近代音楽だけでなく、例えばBachの「主よ人の望みの喜びよ」のような有名な曲にも出て来ます。Beethovenの月光ソナタの一楽章では、三連符と付点のリズムが重なります。そのずれは1/12拍。

Chopinのノクターンあたりになると、この手のズレは頻繁に起こり、ノクターン1番では左で12個の音符弾く間に、右は22個。左手1音符辺りの右手音符の長さは11/6で約1.833。掲載した写真はノクターンの8番の最後で、右左比は7:6、左1個当た1.167。

音楽を生業とする人も当てはまるのかどうか分かりませんが、数学が嫌いで文系を選んだという話は良く聞きます。でも、11/6を頭の中で計算しながら演奏するなんて、数学脳を持ってない限り不可能ですよね。

音楽中の数学という話題ではXenakis(クセナキス)という作曲家を忘れるわけには行かないのですが、あまりゲンダイものに走るとサイトへの訪問者を減らす恐れがあります。これを書きながら久しぶりにXenakisでも聴いてみようかとCDを取りに行きましたが、結局持って来たのはBrian BennettのMisty。

FacebooktwittertumblrmailFacebooktwittertumblrmail

3 thoughts on “割り切れない音楽”

  1. 三連符と二つの音符を両手で弾くというので、まず、「先生〜できないよ〜」という声が聞こえます。その次に、三連符と4つの音の組み合わせ・・・。そのたび、「見ただけでできないなんて、言うんじゃない〜」と叱咤するんですけどね。
    普段、ろくに弾けないような生徒が、こういうのを簡単にこなしたり、いつも練習して、きちんと弾く生徒が泥沼にはまったりしています。
    Aspenってどんなところなのかしら。

  2. 初めまして!最近このサイトを発見し、楽しく拝見させて頂いておりました。そして、この前のサティの「食べ過ぎないで」でまさにツボにはまり、今回もおもしろい話題だったので私も参加させて下さい☆
    私は音楽を専門としているのですが、連符をここまで数学的に考えた事がなかったなぁ・・・と脱帽です。でも、単純な連符なら連符を分解し、タイを使ってかなり正確に音符として考えていました。(昔は・・・!)最近はもはや感覚まかせです。ってことで、「え〜ぃ、この音符とこの音符の間にどうにかして連符の音を入れてやれ〜!」といった感じです。よって、時々いびつで拍を失った音楽が出来上がることもあるので要注意。やはり、ある程度の数学的知識も必要ということですね♪難しいですが、このズレが大抵その音楽の良い味を出していたりもしますしね。
    長々と書いてしましましたが、今後ともよろしくお願いします!

  3. nyf1403さん,こんばんは.Aspenは山の中の小さなかわいい町ですよ.街中から
    スキーコースが見えるんですが,「あの坂を滑って降りるのか!」というような斜面ばかりです.
    スキーをしないので,どれくらいすごいのか,ちょっと分かりませんけど.
    割り切れない音符は,難しく考えると弾けないんですよね.体で覚えろ,というやつです.

    MimiKiraさん,はじめまして.コメントありがとうございます.
    細かい数字書きましたけど,実際は感覚だけで弾きますよね.三連符と8分音符くらいなら,
    音符と音符の間に入れるタイミングはなんとなく分かります.それを左右の手で分けて弾くのなら
    さほど難しくは無いんですが,それを片手で弾けっていう無茶を言う曲もありますよね.

コメントは停止中です。