Wien到着

パリ北駅から空港までは、電車RERですぐ。それも何も無ければのこと。ええありましたとも、お約束どおり。

2時間半の余裕を見てホテルをチェックアウトして電車に乗り込んだところ、列車は飛行場手前の駅でストップ。なにやら車内放送がありますが、仏語なのでさっぱり分かりません。向かいに座っている学生らしき青年に尋ねたところ、線路上で人身事故があって、今警察が調べているんだとか。

搭乗手続き時間は刻一刻と迫りますが、列車が再び動く気配はありません。車内放送は相変わらずフランス語のみで、状況はさっぱり。やがて何かの放送と同時に車内から一斉のため息。良くない兆候ということだけは分かります。

さっきの青年が「ワレワレハ電車ヲ替エネバナラヌ」と言って降りていきました。仕方なく、彼の後に続いて下車。ホームはラッシュ時の山手線の様相。

アナウンスは相変わらず仏語のみ。国際飛行場に行こうっていう人が殆どなんだから、英語のアナウンスをやるのが親切ってもんだろう…なんて考えているようじゃフランスでは生活できません。少なくとも、パリに住んでみたいと思ったことは一度も無いですな。

30分程してようやく次の列車がやってきて無事空港に到着。ドアが開くや否や客は一斉に外に飛び出して、走り去りました。幸い自分はまだ1時間程あったので、普通にチェックイン。早めの行動が旅の災いを退けるのだ。

Paris-ViennaはAustrian Airlines。好きな航空会社の一つです。アテンダントの愛想がよく、それに何と言っても機内が清潔でまるでJALやANAのよう。アメリカの飛行機ってどうしてあんなに…いや、止めとこう。

Wien(と書いたりViennaと英語綴りしたりしてますが)に到着したのは昼過ぎ。いつものホテルにチェックインを済ませ、楽友協会ホールに予約していたチケットを取りに行きました。ついでに今夜のコンサートの空きを聞いてみると、まだ何枚か残っているとのこと。折角のLabeque姉妹、そうそう見るチャンスも無いだろうと、これも買うことに。

夕方までさほど時間が無かったので、久しぶりにKunstforumへ。ここは近代を展示しているところで、小さいながらもダリやミロ、エルンスト、マグリットなどの作品を見ることができます(展示は変わります)。この手のヘンテコな作品って、日本で展覧会があるたびに足を運ぶほど好きなのであります。



夕方、本日のメインイベント。盛装して(ジャケットひっかけただけ)楽友協会ホールへ。今夜の演奏はBasel室内管弦楽団とLabeque姉妹、出し物は、Rossiniの序曲(どーでもいい)、2台のピアノのための協奏曲、それにBeethovenの英雄。Basel室内管弦楽団は、ヴィブラートをかけない演奏法や強いアクセントなどを特徴とする古楽スタイルの個性の強い演奏です。当然好き嫌いは分かれるところ。自分は苦手派。

Labeque姉妹もそういうスタイルに合わせるのかと思ったら、こちらはごく普通の演奏でした。もうそれなりのお年だと思うんですが、相変わらずの美人姉妹です。やっぱりピアノDuoはこうでなくちゃと思います。男のDuoなんて見たくありません。

肝心の演奏ですが、よくもまあ、あんなに息が合うもんだと驚きの連続でした。目を閉じて聴いていたら一人で弾いているのかと思うほど。目を閉じると眠ってしまいそうだったので、やりませんでしたけど。奏でるピアノの音も多彩です。後でピアノを見に行ったら、BoesendorferでなくてSteinwayでした。楽友協会でも持ってるんだ。

英雄の方は、なんとも元気な演奏。ヴィブラートをかけないので音程が揃っているせいか、少人数でも強音に迫力があります。加えてティンパニーの「どごん!」という太鼓のような音。太鼓ですけど。

一楽章コーダでトランペットが高らかにドーミドーソのテーマを奏でるところ。この直後、Beethovenのスコアではトランペットの旋律が行方不明になりますが、普通はスコアを無視してラッパが旋律を吹き続けます。どうやるかと注意して聴いていると、案の定トランペットの旋律が突然消えてしまいました。ナチュラルトランペットでは吹けない音なので当たり前か。

三楽章の狩のホルン。ナチュラルホルンなので、音が突然沈んでしまったりします。あの時代は普通のことだったんでしょうが、やっぱり落ち着きません。その他、あれ?っと思うところが何箇所もあった演奏でしたが、総じて熱気に溢れた楽しいコンサートでした。少なくともLabeque姉妹を生で見られただけよかったということで…。



おまけ。楽友協会大ホールは出入り口が狭いので、ピアノをそのまま出し入れできません。どうするかと言うと、御覧の通り。立てるのです。家が一軒買える値段のピアノを立ててしまうなんて、と心配してしまうのは小庶民の悲しさ。

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「Wien到着」への4件のフィードバック

  1. ドイツでもきっと、ドイツ語だけだろうな〜、と思いながら読みました。いや、最近はS-Bahn内、空港近くになると英語放送がありますが、車掌が英語はできんだろう。
    グランドピアノは立てて運べるから、アップライトよりらくなんだ、って聞きました。

  2. TAMAさん、やっとネタに恵まれてほっとしましたよ(ちがっ!)
    旅では早めの行動と万全なる準備を怠ることなかれ、です。

    あぁ、目覚まし時計が無くて不便。。。

  3. nyfさん、いくら空港行きとはいえ、ローカル電車ですからね。外国語放送を期待するのは難しいかも。ドイツ語だったら少しわかるのでいいんですが、フランス語はさっぱりです。そのせいか、ウィーンに来るとほっとしますよ。

    追伸:シュパーゲル、やっと食べられました。

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