答はこの紙に書かれているらしい

知り合いの大学教授の訃報を聞いたのは二ヶ月前のこと.自分の職場とも縁のある方で,この地に散骨するために遺族の方々が訪問され,それに合わせて小さなセレモニーが企画されました.

セレモニーとは言え,お茶でも飲みながらざっくばらんに昔話を楽しむという趣向.でも参加者のレベルが凄かった.職場の重役や旧所長の面々.さすがにネクタイ締めて行きましたよ.

事前に「教授に関連して何か楽しい話題を用意しておくこと」の連絡があったのですが,そんな場で話せるわけありません.黙ってよっと心に誓って会場へ出かけましたが,念のため一枚の紙切れを持参.

昔話スピーチが続き,友人の一人が話し始めたときのこと.大昔に僕と彼がやってた計算に話題が及んで,やばいなー,こっちに振ってくるんじゃないかと危惧していたら,案の定名前を出して,

「あの理論の未解決の問題は,彼が答を知ってます」

なんて言うもんだから,注目の的です.

しゃあないと例の紙切れを取り出し,

「10年ほど前に,先生から『答はここに書いといた.これを計算しろ』と渡されたものです.でもこの数式,僕にはさっぱり分からないんですよね.なのでご家族の方々にお返しします」

コピー用紙裏紙に無造作に手書きされた数式,実はフォトフレームに入れて飾っておこうかと思っていたのですが,なんか怖い感じもあって止めておきました.10年も経ったのに,まだ計算してないのかって怒られそうで.

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「答はこの紙に書かれているらしい」への4件のフィードバック

  1. 大勢の皆さんに思い出を語ってもらえる先生、
    素適な生涯を過ごされた方ですね。
    LiLA管理人さんがご持参された「紙切れ」。
    まだ計算していないこと、先生はきっとお見通しでしたよ。
    そもそも計算できない数式だったりして。
    (先生は茶目っ気のあるかたでした?)
    ご家族の方には色んな意味で感慨深い遺品となりそう。
    フォトフレームに入れて渡されました?

    1. ポージィさん,はっきり言って,そもそも計算できないような抽象的な模様でした...って言っていいのかな.
      茶目っ気ですか.う〜ん,かなり面白い話はたくさん聞いたのですが,「今だから言えるけど」な枕詞つきですから,なんと言ってよいのやら.
      フォトフレームに入れて渡せばよかったと後で思ったんですよ.そのときはバタバタしていたので,透明バインダに入れただけでした.

  2. 何か前にもわけわかんないもんをガラスのフレームに入れた。
    ってあったような・・・機密情報だっけ。
    ?ってものが壁に飾ってあるっていかにも科学者の家。
    お返ししちゃって残念みたいな気もする。

    でもさ「答えはここに書いといた」って煙に巻くって、
    LiLAさんがやりそうな事みたい。

    1. Chieさん,はい,ガラスのオブジェ,飾ってますよ.なんか分からんもんですけど.そういう芸術作品を突き詰めようと企んでおります.さて,アンティークショップ廻りをせねば.お宝探し.

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