Nott指揮,東京交響楽団演奏,Bruckner交響曲第8番

Bruckner Symphony No.8

日本の大学に滞在した記念に先輩教授から頂いたCDです.J. Nott指揮,東京交響楽団によるBrucknerの交響曲第8番.ともすれば没個性になりがちな日本のオケへの偏見もあり,正直申し上げてあまり期待していなかったのですが(頂いておきながらスミマセン),全く逆の意味で期待を裏切られました.

しばしば重量物ゴシック建築的演奏になるこの8番ですが,これは正攻法な演奏でありがならも美しく音楽に溢れています.同じく歌に溢れたCarlo Maria Giulini指揮Wiener Philharmoniker演奏とちょっと通じるところがありますが,東京交響楽団の方が音が細い.ヨーロッパの伝統的なオケの分厚い音に慣れていると,ちょっと物足りないかもしれませんが,逆にその繊細さが特徴とも言えるかも.

特に三楽章が美しい.Brucknerの交響曲全体の中でも特に好きな楽章ですが,祈るような音楽がゆったりと流れ続けます.かなり遅い演奏かと思ったのですが,3楽章全体の演奏時間は他のCDとあまり変わらない.でも冒頭部分,最初の休符までをGiuliniが1分52秒かけてるのに対して,Nottは1分57秒.テンポはほとんど同じでも,その後のテンポの揺れとか間の取り方とかが違うんでしょうね.

この演奏に出会って良かったです.あらためましてCDありがとうございました.次回の帰国までに日本のオケへの偏見を無くしておきます.

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4 thoughts on “Nott指揮,東京交響楽団演奏,Bruckner交響曲第8番”

  1. 私は偏見を右手に、好き嫌いを左手に生きてきたので、
    LiLAさんの偏見を取り払う姿勢は素晴らしい。
    学者さんてそういう素直さもある時はあるんだー。

    1. Chieさん,いくら偏見を取り払おうと,払いきれない偏見もあるのです.例えば納豆...あれは食べ物とは思えないのですが,どうなのよ.

  2. 先週、そのNott/東京交響楽団のBruckner第五番を聴いてきました。これがまた八番の手口を確信犯的に先に進めた何ともユニークな演奏。巨岩奇石の巨塊みたいに思われている5番(特に第四楽章)がピアニッシモの歌また歌の連なりになる。話が違うじゃん、裏切られた~、と思う人も多いだろうな。でも私は目からウロコの大感激。Nottさん日本のオーケストラの長所短所をあっという間に知りぬいたんですよ、きっと。「神は細部にやどる」という言葉もあるし。歌また歌とは言っても、ブルックナーには超絶ポリフォニーがある(ドボルザークさん気にしないでね)。そこもちゃんと生きていました。これもCDになりそう。マイク、沢山ぶら下がってたもん。

    1. Gonnekoさん,その5番もCDになったら是非とも聞きたいです.帰国しないと買えないんでしょうね.5番の終楽章は,巨人がこんぐらがった組体操してるような音楽ですが,あそこから歌を引き出すのはかなりの技だと思います.日本のオケの管楽器の歌い方ってのが,やはり特徴あるんでしょうね.ウィーンやベルリン・フィルとは違う繊細さで,一味違うブルックナーを発見した気がします.この組み合わせで,9番の3楽章を聴いてみたいです.

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