十一月の七面鳥哀歌,二題

其の1

七面鳥のぴぃ助はずんぐりとした自分の体型を呪った.そしてイケメンモデルに憧れた.目標はクジャクであった.あの美しい容姿を得たいと思った.パリコレに出たいと思った.そして努力した.

もっと長い足,すらりと伸びた首,さらには弛んだ顎の肉も整形によってすっきりとさせた.

モデルのように背の高くなった七面鳥のぴぃ助,それを人はダチョウと呼んだ.

柿

其の2

七面鳥のぴぃ子は養殖場の脱走を企てていた.このままだとサンクスギビングの肉として売られる運命である.フェンス越しに通りを行く人々を眺め,そして声をかけた.

「ここから出してくれたら,この産みたてのタマゴをあげるわよ」
「生憎だが私はお金しか受け取らないのだ」

男は政治家であった.

次にやってきた女にも声をかけた.「あたしと取引しない? 損はさせないよ」

女は「いいわよ」と答えると,鞄から書類の束を取り出し,

「契約書の作成には別途料金がかかります.損失を出した場合の補填の担保はありますか? 基本相談料は一時間で…」

女は弁護士であった.

無一文のぴぃ子は,三人目の男に望みを託した.「あたいをここから出してくれたら,望みのものをやあげるわよ」

「そいつはありがてぇ」

男はぴぃ子をひょいと持ち上げると,小脇に抱えて自宅の精肉店へと戻っていった.

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「十一月の七面鳥哀歌,二題」への6件のフィードバック

  1. 七面鳥さんたち、受難のシーズン到来なのですね。
    日本ではひたすらチキンチキンチキンが並ぶシーズンです。
    クジャクになりたくてダチョウになったぴぃ助も、
    交渉相手を間違えたぴぃ子も、結局は食べられる運命から
    逃れられなかったのでしょうか。

    1. ポージィさん,何故ちきんちきんちきんになっちゃったんでしょうね.でも味はターキーよりチキンの方が良いと思います.ターキーってなんかはっきりした味が無くて...

  2. 七面倒な七面鳥ですね~。
    人まねしてもいいことなんかないのにねー。

  3. だちょうはけっこう美味しいみたいですね。七面鳥のたまごが美味しいかどうかは知りませんが。これから七面鳥を二羽焼きます。明日はなんと記録更新の60人参加のホームパーティです。今年は20人くらいでひっそりやるつもりだったのですが。

    1. misssyさん,ダチョウのたまごでスクランブルエッグは作れそうですが,目玉焼きは大掛かりな実験装置が必要そうです.
      60人参加のパーティですか?! 20人でもひっそりとは言わないような...

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