Julia Fischer, Violinコンサート

Los Alamos Concert Associationが年に数回主催するコンサートシリーズ,今夜はJulia Fischer(ユリア・フィッシャー)のリサイタル,ドイツの若手女流ヴァイオリニストです.名前は聞いていましたが,演奏を聴くのは初めて.曲目は,

  • Mozart, Violin Sonata No.1
  • Prokofiev, Violin Sonata No.1
  • Beethoven, Violin Sonata No.8
  • Martinu Violin Sonata No.3

コンサート前半後半とも,始めは古典派の比較的軽い曲で始め,次に難曲を持ってきて聴衆にため息をつかせるという構成.古典派のヴァイオリンソナタって,ヴァイオリン付きピアノソナタ的な曲が多く,Fischerも楽しげに弾いている様子でした.

Prokofievの二曲のヴァイオリンソナタの1番は,実は2番より後の作品.2番はフルートソナタをヴァイオリン用に変えたもので,多分1番よりポピュラーだと思います.この1番,なんとも暗い雰囲気ながら,Prokofiev独特の夜空の美しさみたいなものがちりばめられ,僕は好きな曲.曲も盛り上がる部分は迫力もあり,Fischerの演奏でもそれが十二分に発揮されていました.でもProkofievのあの硬く煌くような音に,この人の弾くヴァイオリンの音の美しさがとてもあっているように思いました.

コンサートのメイン,Martinu(マルティヌー)のソナタ.この曲は初めて聴きましたけど,叙情的な旋律に溢れながらも,技術的に非常に高度な大曲でした.3楽章scherzoを弾き終えた瞬間,会場から拍手が起こったほど.凄い曲だとは思いましたが,なんだかまとまりが悪く感じられ,僕としてはあまり面白みを感じられなかった.まあ一回聴いただけの感想ですが.ちなみに,Martinu,今年没後50年だそうです.

Fischerの演奏,どの曲も音が非常に綺麗です.透明感があり,技術も高く,演奏困難なパートを難なく弾いています.それをサーカスに感じさせないのがよい.4年前の五嶋みどりのコンサートもそうでしたが,こんなレベルの高いコンサートを,(高校の講堂とは言え)身近で体験できるのはありがたいことです.

6 thoughts on “Julia Fischer, Violinコンサート”

  1. 最近良いクラシックコンサートに行ってません。
    耳が確実に悪くなっています。そして自分の音楽に対する耳も悪くなっているでしょう(爆)
    良いですねー。近くでそんな良いコンサート。
    難曲を難曲に感じさせないのってのが一番素晴らしい演奏家ですよね!!
    私は難曲は超難曲のままです(失笑)

  2. 遅くなりましたが1000記事突破おめでとうございます!
    ロスアラモスのコンサートの実行委員って普通の人がやってるんですよね。私のいた当時は知人がボランティアしてました。
    それにしてはといっては失礼でしょうが、かなり質の高い演奏や公演しますね。私のいた時はニューヨークからダンスカンパニーがきてました。(日本人のダンサーが二人いて、若い方の方は知人の友達という事で中華をおごってもらいました。)
    アメリカでコンサート見たのはそれきりです。いつも機会があればいきたいと思うのですが。
    7月にミネソタに行くときに何かお勧めのものありますでしょうか?毎年MLBのオールスターのある頃に行くので機会があれば行きたいんですがチケットってとれるんでしょうか?ものすごく高いみたいですね。

  3. Mimi☆Kiraさん,良いコンサートにたくさんいける環境にあるのに,勿体無いですねい.このコンサートシリーズ,レベルは高いんですが,年にほんの数回なんですよ.都会がうらやましいです.またウィーン出張が無いかなあ.

  4. Rockyさん,ありがとうございます!そうそう主催者とかもう全然普通の方々です.コミュニティの文化意識が高いんでしょうね.本当に質の高いコンサートを呼んでくれて,こちらも感激しております.Santa Feなら,夏場にコンサートやオペラをたくさんやってるんですが,やっぱり行くのは面倒です.
    MLBとかスポーツの方はさっぱり門外漢なんですよ.チケット,どうなんでしょう.今時なら,日本からでもネット予約できるとは思うんですけどね.

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