Alla Breveってなんだ

ピアノ曲集

先月の帰国時に買ってきた坂本龍一のピアノ曲集.表紙に “This book includes 29 songs” ってわざわざ書いてあるんですが,どうして29で止めたんだよ,なんで30じゃないんだよ.

まあそれはともかく,正直言うと彼の曲はあまり知らないんです.ざっと最初から通して弾いてみましたが,聞いたことあったのは,Energy Flow,戦場のメリークリスマス,それにサントリー「山崎」のCMだけでした.とは言え,他の曲もなかなか良いものばかりです.

こういうポピュラーピアノの楽譜にはかなりテンポの速い曲があり,Classicばかり弾いてる人にはちょっと取っ付きにくいところがあります.4/4拍子なんだけどエイトビートで弾く,みたいな.

Alla Breve

楽譜で4/4拍子の事を略してCと書くことがよくあります.このCの文字の真ん中に縦線が入ったものはAlla Breve,つまり2/2拍子.これを見るとギクっとします.倍の速さで弾けって言われてるわけです.トロトロ弾いてるんじゃねえよ,もっと速いんだよ.

この坂本龍一の曲集にも,Alla Breve指定がありました.Moving Onという曲ですが,2分音符=70の指定なので,それほど速くないのかな.

さてAlla Breveですが,なんでCに縦線なんだろ.それにどうして4/4拍子がCなんだろ.深く理由を考えたことはありませんでした.

英語のWikipediaのページに面白い説明がありましたので,以下に和訳(意訳)します.

半円は4/4拍子に用いられ,これは通常の拍子とか不完全拍子と呼ばれます.この記号は14世紀から16世紀にかけて用いられた音楽表記で,途切れた円から来ています.ここで完全な円は3/2拍子や3/4拍子を表し,「完全な拍子」として知られているものです.半円に縦線の入った記号は中世後期からルネッサンス時期の音楽から伝わるもので,倍の速さでという意味です.

なんとびっくり.今までずっとCだと思ってたのは,不完全な円なんだ.三拍子を完全な拍子と言ってるのは,多分キリスト教の三位一体から来てるんだと思いますが,4/4拍子って不完全だったんですね,教授.

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「Alla Breveってなんだ」への15件のフィードバック

  1. 音楽は聞くの専門なんで難しいことは分からないのですが、以前NHK BSで中世のウェールズの音楽の楽譜を紹介していたのを見たのですが、全部数字の1と0で表現されていると言っていましたよ。それでコンピューターみたいって言ってました。あとなんかよく分からない天体模型みたいなのも、中世では音楽に使っていたみたいでした。円を表しているというのを読んで、なんとなく思い出したので買いてみました。(関口知宏さんの列車の旅の番組の、イギリス編の一部分にて・・・。)

    1. Sanaeさん,全部1とゼロの楽譜ですか.それは見たことない.中世の英国は独自の方法を使ってたんでしょうかね.日本の古楽なんかも,楽譜は文字だし,約束事をちゃんと決めておけば演奏に問題ないんでしょうね.
      そういや昔,MIDIだって楽譜だって言う意見もありました.電子楽器用の楽譜ですね.

  2. つーことは、
    ワルツは完全でマーチは不完全てこと?
    なんとなく逆じゃないかって気がするけど。

    ところで坂本龍一の作曲したものは後世に残りそう?

    1. Chieさん,そうなんです,ワルツは完全なのです.ですから,これからはワルツのステップで町を歩きましょう.完全に目立ちますよ.
      ポピュラー曲が後世に残るかどうかは難しいですね.なんせ似通った音楽が大量生産される時代ですから.映画なんかに付随した音楽は,ずっと演奏され続ける可能性は高いでしょうね.

  3. アラブレーヴェ、バッハのオルガン曲のタイトルもなっていてバロックではよく出てきますが、坂本龍一にまで登場するんですね。院生も終わりに近づいた頃、定量譜法というルネサンスの記譜法の解読にはまったことがあり、この種の記号を色々とみました。WikipediaのMensural notationの中ほどのModes and mensuration signsのところに完全(perfectum)とか不完全(imperfectum)が丸や半円とでてきます。ああ懐かしい。しかしこんなものにはまる時間、当時はあったんですね~(笑)。

    1. 現地委員さん,アラブレーヴェの記号そのものは古典から近代の音楽でよくありますね.疾風怒濤のピアノソナタなんか,よくこれだったりします.
      ルネッサンス音楽とかグレゴリオ聖歌の楽譜でへんてこりんなのは見たことがありますが,どうやって読むのかまで深入りしたことは無かったです.定量譜法っていうんですね.折角解読方法を極めたんだから,このWikipediaの日本語ページなんか作られてみては如何でしょう.

  4. 音楽の記号ひとつにも、歴史的背景や当時の世情が濃~く
    反映されているんですね。
    3拍子こそが完全な拍子だったとは!
    キリスト教とは無関係な雅楽なんかはどんな拍子なのか
    気になりました。

    1. ポージィさん,ヨーロッパの芸術って,どこかでキリスト教と繋がってますから,そういう背景を知っているともっと面白いんでしょうね.三拍子が完全な拍子だとはびっくりです.3って割り切れない感じがするんですけど.雅楽も詳しく調べてみると面白いんでしょうね.老後の楽しみにしておきます.

  5. 教授の曲、私も大好きです。心が癒されます♪
    めっきりピアノの音色を聴く機会が減り耳が飢えて…CDで我慢中です。
    パフュームトリオの3匹、またまたかわいいですね!
    「ニヤリ!」の表情には参りました。

  6. あ!名前が消えてました。
    先ほどのコメントは 「わんこ」がお送りしました。

    1. わさん(笑),わんこさん,ちょっとミニマル系が入ってる音楽なんですかね.繰り返しが多くて,曲の途中で演奏するのに飽きてきてしまったり...CDに耳を傾けながらゆったりした時間を過ごすには良い音楽です.
      「にやり」,してやったりなドヤ顔をお届けいたしました.

  7. 勉強になりますぅ~!!
    Alla Breveって言葉や、2/2で書かれてる楽譜って何だかゆったりとした印象を受けるのに、「何でやねん!」とツッコミたくなる現実が待ち構えてるんですよね。。。
    3/4が完全なのは何となく意味が分かる気がするけど、それ以外はサッパリ。
    正に今日の授業でこの辺りを教えてきましたが、意味不明なので超特急でバッハまでかっ飛ばしました♪

    1. mimikiraさん,2/2だと譜面があまり黒く無いから,ゆったりした印象になるんですかね.
      お~,この辺りを教えてきましたか.まあ現代の演奏では,円とか半円とか,縁がありませんしねえ.円だけに...

    1. Claraさん,丁寧な解説の紹介,ありがとうございました。参考になります。古楽の記譜法は勉強してみるとおもしろそうですね。

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