学会の異端児

路面電車

よくテレビドラマとかで,学会の定説に異議を唱えて異端児扱いされてる学者さんって出てきますね.自分も学者の端くれ,幾つか学会に所属しているものの,「学会の定説」なるものを実際に聞いた事はありません.ただ異端児さんは時たま見かけます.

正直言ってとんでもさんなわけですが,勝手に自説開陳してるだけなら楽しめます.でも困るのが,そう言う人達が書いた論文の査読が回って来る場合があること.

専門分野では無いから,と査読依頼を断ることもできるんですが,何人もの研究者にたらい回しされた挙句,僕のところに戻ってくる事もあるんですよね.こう言う場合,気の毒なのは編集者です.学会誌に投稿された以上,科学技術論文として審査せねばなりません.

師走も押し迫ったこの時期,あまり縁の無い学会誌から査読依頼が来ました(何故自分を知ってる?).ちらっと読んで見てまともそうな論文だったので査読を引き受けたのが運の尽きだった.

読み始めて暫くして頭の上にが点灯し,読み進むにつれて,???とハテナ増殖.困るんですよ,こういう論文は.一体全体どんなレポートを書けば良いと言うのだ.

つい先日も,同僚のところにな論文査読が回ってきたそうで,却下の判定を編集者にしておいたそうです.

ところが,何がどう間違ったのか,その論文が受理されてしまったらしいんです.おそらくは,もう一人別の査読者が居て,そっちがOKを出してしまったんじゃないかと.

何のための査読システムだよ,と彼,かなりご立腹でございました.異端児さんは絶えない.もっともそれを異端児扱いしてる自分らが,もしかしたら「学会の定説」を唱えてるだけなのかもしれませんね.

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「学会の異端児」への16件のフィードバック

  1. 「?」の増殖しちゃうものを読まねばならないのは、お仕事とは言え大変そうですね。ご苦労様でございます。

    でも、ふと、天才はいったいどこから登場するのかな?とか思ってしまいました。その時代時代で、その時理解されなくて苦労した過去の天才はたくさんいますものね、、、。その閃きを、今まで積み重ねられてきた論証などと結びつけることの出来る”尻尾”を捕まえる運とか技とかが、実は天才の条件には必要なのかも?!納得させられなきゃゼロになっちゃうんですものね、結局。玉石見分けるのも大変!

    聞いても分かんないに決まってるんだけど、そんなに「?」が飛びかっちゃうのってどんなんなんだろーと気になります(笑)。

    1. Sanaeさん,実際は仕事の一部では無くて,あくまでボランティアなんですよ.なので嫌なら嫌って言ってもいいんです.でもみんながそう言ってたら,学会が成り立ちませんからね.
      天才ですか? それは忘れた頃にやってくるのです.
      昔のような大発見は難しくなりましたね.天才よりも,より柔軟な才能が求められる時代じゃないでしょうか.

  2. 異端児さん側から視ると定説側が異端児??でしょうか・・・・・。

    1. PNH Member #2さん,もちろんそうです.誰だってそうです.正しいのは自分だけです.
      さあみんなで異端児になろう.

  3. 私の身近にはわざと異端児ぶってる人がいます(爆)もう面倒くさいことこの上ないっ!!
    こちらの世界にも恐らく同じくらい異端児がおりますが、本物の異端児の扱いは結構楽なもんです♪
    忍法異端児返しの術!!
    凄まじいレポートを書き返してあげれば、今後査読依頼も来ないかも・・・!?

    1. Mimi☆Kiraさん,ああ,自分で異端児宣言してる人は偽物ですねえ.本物の異端児というものは,ぶらなくとも自然と異端オーラを発しているものです.偽物の異端児は,擬端児と呼びましょう.
      異端児返しの術で凄まじいレポートを書けば,大喜びで3倍返しされること確実ですから!

  4. 実際に某専門誌の編集委員をやっているのですが、
    どうにも救い難い論文って、けっこう来るんですよね。
    査読に回すのも申し訳ない。一度あまりにダメすぎて
    編集者判断でリジェクトしたこともあります。

    まあ、異端というより、単に論文の体をなしていない場合
    ばかりなんですが・・・。

    1. Hiroさん,さすがに体をなしてないほど酷い論文は見たことないです...あ,あったっけ.ありました.あれは編集に戻しましたね.査読以前だって.
      そんなのがしばしばやってくるんですね.本当にご苦労様です.一応投稿規定があるはずだから,それに沿ってない原稿はリジェクトされても仕方が無いですよ.
      そういや酷い考察を書いてる論文もありました.

      「この図から,最初に増加して,それから減少することがわかる」

      そんなん,図を見りゃ分かるって.

  5. 野心家な異端児
    夢見がちな異端児
    閉じてる異端児
    あきらめない異端児

    それなりに偉いような気もする。

  6. じゃあ、今回の論文も適当に読み流して却下で返しておいて、判定は別の査読者さんにおまかせしましょう。受理されるかどうかはきっと、研究者さんが学会に貢いだ最中の内容によって決まるんです。北海道産の極上小豆を使用した餡ごときではダメですよ。。

    1. あーにゃさん,そりゃ中身は山吹色と相場が決まっておりますからね.あ,でも極上小豆餡はちょっと惹かれるなあ.うーん,それで許しちゃうかな.あと,抹茶が欲しい.

  7. 世の中で一番オカルトな現象を待っているのは、実は学者さんなのではないかなぁと思う事があります。

    この間発表された光より速いニュートリノみたいな現象を自分の実験で発見出来る事が出来たらどんなに良いだろうと思っているのではないかと(笑)。  オカルトが現実空間の中に発見された時には凄い発見だと思うんですよねぇ。  まあ、そんな感じでバイアスが掛かった目で見ると、だんだん答えありきのとんでも論文を作ってしまう人も出てくるのではないかなぁ、と。

    1. Mooseさん,そうですよね,オカルト話の出所は普通の学者さんだったりします.それをネタに,マスコミさん達が広めるんです.学者が言ってるとなれば,信憑性も上がりますからね.
      一方で,一獲千一発ノーベル賞を狙う科学者もおります.ちょっと面白い現象が見つかったら,答ありきの論文も出てくるでしょうね.過去にもそういう事は何度かありました.

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