満月の夜の怖い音楽

仕事の帰り、東の山の峰すれすれに月がかかっています。一月程前の十五夜の頃、Cembalopianoさんが「月にちなんで」という文章を書かれていたのを思い出しました。今夜は満月。話題はBeethovenの「月光ソナタ」、Debussyの「月の光」…

いえいえ、もうすぐHalloweenです。月にちなんだ怖い音楽、A.Schoenbergの”Pierrot Lunaire”, 月に憑かれたピエロ。全曲21曲からなる歌と室内楽からなる組曲。当然Schoenbergですので、30分の演奏の間、無調性音楽の不協和音の中に身を置くことになります。

この音楽の特徴は、歌手がまるで喋るように歌う事。SprechgesangとかSprechstimmeと呼ばれ、音符通りに歌うのではなく、音符に沿って話します。今風に言えば「ラップ」ですね。で、その語り部分、ちゃんと5線譜上の音符として書かれております。スコアを見ながら聴くと、どんな風に音符を「語って」いるのかが分かって面白いです(スコア、もちろん持ってます)。

歌われる(語られる?)歌詞は、とにかく不気味。月の光でピエロの頭がだんだんとイカレて来るというもの。表題も、例えば「絞首台の歌」だの「斬首」だの。夜中、部屋の電気を消してこの曲を聴くと、ドイツ語の意味が分からなくても、非常に涼しくなること請け合い。

一度だけ、この曲をライブで聴いたことがあります。Santa Feで夏場開かれる室内楽祭。観光地の観光シーズンということもあり、かなりの観客はSchoenbergを知らずにコンサートホールにやって来た模様。案の定、曲が始まり、歌手の声が次第に狐でも憑いたかのようになってくると、絶えきれなくなった客が次々とホールを去っていきました。

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6 thoughts on “満月の夜の怖い音楽”

  1. 本当に皆さん去っていかれたんですか・・・!?
    確かにけっこうキツイですよねぇ・・・涼しくもなりますわ〜。
    大学の時この曲を習いましたが、何の授業だったかすら覚えておりません。一応何故か私CDなんかも買ったりしてあるのですが、聴いた記憶もなかったりします。
    そして、院の友達がこの曲にはまり、色々と説明してくれるんですが、ちょっとまだ私には理解できませーん!確かに面白いとは思うんですけどね。。。
    これを理解する事が出来る日は来るのかしら・・・。

  2. 最近の日本ではお月見というと中秋の名月、15夜ですが、大昔(平安の頃)は、15夜よりも13夜の方が人気が高かったようです。最近は京都のお寺等で13夜に月見をする会がまた盛んになっているようです。これから欠けていく15夜よりも満月に向かう13夜の方に古人は勢いを感じたのでしょうか?天気がすっきりしない中秋の名月に対して天候の安定している13夜は、「13夜に曇りなし」とも言われているようですが、今年の13夜、旧暦の9月30日(10月15日)は全国的に曇りで、残念ながら13夜を楽しめた場所は少なかったようです。

  3. Mimi☆Kiraさん、さすがに皆出ていったわけじゃなくて、最後まで聴いていた観客もたくさんいましたよ。お金払ってますもんね。
    大学の授業で習ったりするんですね。結構歴史的な曲ではあります。折角CDがあるんなら、もう一度聴いてみては?夜、部屋を真っ暗にして。
    音楽を理解しようなんて思っちゃだめです。音学じゃないんだから、肌で聴きましょう。

  4. Sallyさん、おもしろい話ですね。満月のちょっと前をめでる感覚、なんとなく分かる気がします。
    昨晩は、本当に盆の様な月が見られましたが、今夜は生憎の雨です。夕方までは快晴だったのに。
    ロスアラモスの降雨量、だんだんと増えている気がします。地球温暖化の影響と言ってる人もいますよ。

  5. 管理人さん 怖い。 写真もシェ−ンベルクも スコアを持っている貴方も(笑)無調音楽は苦手です。ミニマムも苦手です。 有調音楽も苦手です。月に憑かれると 何も出来なくなって。。

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