108の煩悩と元素

昔はずっと常温核融合ウォッチャーをやっており,「それ系」の論文などは全てコピーして保存しておりました.アメリカに引っ越して来るときのどさくさで,論文集が行方不明になっているのが,ちょっと残念.

渡米した後,そういう話題からは遠ざかっていたのですが,今年の夏頃だったか,どこかで水に関する面白い話を聞きました.何でも,良い言葉を書いたラベルを水の容器に貼って凍らせると美しい結晶ができるんだとか.で,汚い言葉だと汚い形になるんだそうな.こういう話題は大好きなので,早速職場の連中とのランチの折りに披露したところ,大受けです.

今月始めに郵送されてきたAERAに,丁度その記事が載っていて,この話を思い出しました.記事にはこの水の話の言い出しっぺへのインタビューもあり,それが突っ込みどころ満載.突然「量子力学の世界ではそうなっているようだ」なんて言葉が出て来たり....えっと,長年,量子力学とつき合ってきてますけど,聞いたこと無いです(笑).

とどめはなんと言っても

「体内にある108個の元素が108個の煩悩に対応している」

...108個って,あーた天然のやつは92個まで.それに92番のウランが体内にたくさんあったら,それは煩悩にもなるわなぁ...

108の元素とか言われても,とっさには出て来ません.108番はHassium.記憶が確かなら,ドイツのDarmstadtで発見されたので,ヘッセン州の名前をとったはず(って,ちゃんと調べろよ>自分).実験で一瞬できるような元素で,自然界にはありません.

108の煩悩というのも,実際にどんなものがあるのか,全然知りませんでした.ざっとgoogleってみるとなんやら色んな解釈があるようで,悩ましい限り.

92番のウランは,惑星では天王星に対応しています.93のネプツニウムは海王星,94のプルトニウムは冥王星.星の数だけ煩悩がありそうですが,108煩悩までは,あと13個.

95番はアメリカで発見された芸の無い名前,アメリシウム.煩悩的には「唯我」ですかね.96番はキュリー博士に因んだキュリウム.まわりの科学者からすれば「嫉」でしょう.97番はバークリウム.バークレーに因みます.UC Berkelayと言えば名門大学.やっぱり「威」という字をあてたいところ.

やっと97番まできましたけど,あと10個もある.元素名の知識よりも国語力の方が先に尽きそうなので,今日のところはこの辺で.

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6 thoughts on “108の煩悩と元素”

  1. 水の話で思い出しましたが、以前「水の記憶力」という論文がネーチャーだかサイエンスだかにでたことがあったそうな。水分子は溶かしていた溶質を覚えているって。それから、子供のころに読んだ本に植物によい言葉と汚い言葉をかけて育てるとよい言葉をかけたほうがよく育った、という話がでていました。水と同じ人だったりして。「昔は植物でやりましたが、今回は分子レベルで解明しました」、みたいな。

    プチオフ会で怪しげな話を披露してしまったので信用がないかもしれませんが(^^;)・・・

  2. 私の周囲には、ウラニウム、ネプツニウム、プルトニウム、そして芸のない名前のアメリシウムがたくさんあります。名前は芸がないのですが、このアメリシウムはちょっと厄介なんです。プルトニウム241が14,5年経つと半分がアメリシウムに変わってしまう・・・・。そう崩壊して違う核種に変わっちゃうんですよ。金が保管中に違う元素になっているようなものですが、金だと大騒ぎでしょうが、プルトニウム241だと関係者が余りに少なく、話題にもなりせんが・・・・・。

  3. SEさん、
    ありましたね、水の記憶力。掲載されたのはネイチャーのようです。その手の「と」なものが蔓延る一方で、戦う物理学者もちらほらとおり、今年の物理学会では特別なシンポジウムが開かれるんだとか。
    宗教と紙一重の疑似科学はモグラ叩きと同じ。きりがないので、こっちはもっぱらウォチャーに徹し、
    楽し気な話をそれなりに楽しんでおります。

  4. Sallyさん、
    身の回りがアクチノイドだらけというのも、ちょっとすごい環境ですよね。ある意味。
    Pu241とかAm241って、なにか役に立つんでしたっけ。アメリシウムは確か火災報知器に
    使われるんですよね。あと、AmBeの標準中性子源とか。
    Amの方が役に立つんなら、Pu241で置いておくより、壊変させてしまったほうがいいんじゃ?

  5. Pu241はPu239とともにフィッサイルですから原子炉燃料ですが、購入した時点ではフィッサイルだった(お金を払った)Pu241が、ふと気付くと何の価値もない、炉心価値的にはマイナスのAmに変わるということは、プルトニウムの入った燃料を製造する上では困った問題なんですよ!

  6. なーるほど。冬に備えて灯油を買っていたら、いつの間にか水になってしまったというところですか。
    それはもったいない。崩壊する前に燃やしてしまうか、あるいは研究に役立てて論文を書くかしないと、
    芸の無いアメリシウムばかり溜まっていくんですね。それは切実かも。

    そういう意味では、108の元素が108の煩悩に対応してるっていうの、あるのかもしれませんねぇ。。。

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