ダイナミックに生きる

look future

数年前に職場を離れた元同僚から,近況を知らせる突然のメール.名前を言えば誰でも「あぁ,あの…」と納得する英国超名門大学を卒業し,ここ Los Alamos へと渡って来た人ですが,今は地球の裏側の国で全く新しい仕事をしているらしい.不思議な縁です.

世界各地の学者が集まってくる国際的な土地柄ですが,それだけに人々の経歴もダイナミックです.Australia 出身で,ここのポスドクをした後,Franceに渡り,今はSouth Africa の大学で教授をしている人を知っています.今後,アジアと南米と南極と渡り歩けば世界大陸制覇です.

科学技術の経済格差と言えるのかもしれませんが,日本や欧州先進国からやってくる研究者は国に戻って職を得るという選択肢があります.自分の学術上のスキルを自国で活かすのが難しい場合は,自分の未来を外国に探すことになります.でもそれは放浪ということでは無くて,全体としての学問の向上に加担するのに適した場所を探しているだけです.

翻って自分は日本を出てアメリカに生業を求めたわけですが,正直な所,アメリカの為に働いているという意識は希薄です.ここで職を得た当時,何故渡米して来たのかと聞かれ,「この環境が自分の可能性を最大化できるから」と答えました.なんとも厚かましい言い様ですが,それが偽りのない気持ち.科学の進展で恩恵を受けるのは,一国に限った事じゃ無い.

一方で,先の同僚のように諸般の事情により遠く離れた土地へと去っていく人も居ます.彼からのメールを読みながら,しばし感慨に耽っていました.彼は彼の可能性を最大化できる環境を得たのかもしれません.その為にはじっとしていちゃだめなんだな,そんな事を漠然と思っていた一日でした.

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20 thoughts on “ダイナミックに生きる”

  1. 夢はニッポン脱出ですが、小心者で小さく生きています。
    世界で活躍している方々を凄いなーーーと何時も感心し尊敬しています。

    1. PNH Member #2さん,僕は活躍なんてしてないので,凄いなーの対象外ですね.
      在外生活なんて夢見るより簡単ですよ.自分がどこでどんな生活するのかをイメージできれば,案外あっさりと実現するもんです.なんとかなるさ,の精神ですよ.

  2. 自分の可能性を最大化できる環境と言えるLiLAックマさんは羨ましいです。いや、凄いと言うべきですね。私の場合は、自分の価値をより評価してくれる環境という域を出ていません。

    可能性を最大化できる環境ですか?うーん。私の場合、腕の良い職人がいる町工場かな。

    1. lce2さん,価値を正しく評価してくれる環境というのも大事ですよね.
      腕の良い職人がいる町工場って,もしかして釣りの秘密兵器を作成してもらおうと思ってるでしょ.超高性能魚群探知機とか.

  3. 来る場所間違えちゃったかと思っちゃいました(笑)。だって本文読む前に、昨日のコメを人の分まで全部読んでいたので。え?同じ人?って。(いつもつい読んじゃうので、ここの滞在時間長いんですよ。)

    引越し人生もスケールが大きい話ですね。私はもっとみみっちいけど、「自分の可能性を最大化」ではなく、「どこに行っても自分を最適化」する術を身につけつつある?!(単にずーずーしさが増してるだけ?)でもアメリカの小学校を見学した時は、ここで育ちたかったなぁとやや切なさがこみ上げてきましたよ。

    今ちょうど「二重らせん」って本読んでいるんですけど、著者が研究場所を移っていく時のくだりと、LiLAさんの今日書いたことが妙にシンクロしていて、私的にタイムリーな感じでした。ちなみに難しいところはチンプンカンプンのまま読んでますから・・・ね。

    1. Sanaeさん,もしかすると同じ人じゃないって可能性も...きっと昨日のはLiLさんで,今日はA管理人さんですよ.匿名Aもよろしく.

      自分を適応できれば世界中どんな町でも生活できますよね.もっともっと新しい世界を訪ねてみましょう.きっと楽しいはずです.ちなみにアメリカ人の多くは,自分の場所が最高だと信じていますので,自分を最適化するなんて考えてもおりません.

      二重らせんは,ワトソン博士の話ですね.あの人ってあちこちの研究所を渡り歩いたんでしたっけ.そういう人は,こちらでは多いんですよ.あんな業績の人は一杯声がかかるでしょうしね.

  4. 日本に帰るべくして帰ったというより、たまたま転職先のチャンスが日本だったから帰国したという
    方が実感に近い私は、将来次のチャンスがたまたまアメリカに見つかったら、また渡米するかな・・・。
    いちど国外に出てみて良かったことの一つは、国境の壁がずっと低く見えるようになったことかも
    しれません。

    南極はいまだに壁高いですが。
    (南極に観測や調査に行っちゃう同僚もいるんで、あながち冗談でもないのが恐ろしい)

    1. Hiroさん,南極に行った物理学者は,ペンギンに説教するアッシジの聖フランチェスコと呼ばれるんでしょうか....あ,観測じゃ説教できないか.

      国外体験のある人,とくに数年間を海外ですごした人は,垣根がずっと低くなりますよね.その分,転職の選択肢も広がります.あと,年金の問題さえなんとかなれば...
      海外留学が一年未満の人は,国境の壁が逆に高くなってしまう人もいるみたいです.

  5. ブチの色が違うのと影に萌・・・☆
    私も最近「自分と相方の可能性を最大化できる場所」というのを考えるようになりだしました。家から一歩も出たことなかったけど、よく考えたら一生ここに居続けるという理由なんて無いんだよね~。もし子どもが出来たら、周りの環境ってのもあるし。と思うと、即引越しや・・・(笑)でも勇気がない・・・はぁ。。。

    1. Mimi☆Kiraさん,おしりのところの黒ぶちが可愛いでしょ.
      ほお~,有機農法,じゃなかった勇気が無いと(説明:勇気にNoを有機農法にかけています)...

      時間はあっと言う間に過ぎていきますよ.考えてばかりじゃ最大化できるチャンスが逃げてしまうかもしれませんよ.ここは行動あるのみ.

  6. 今日は突然スケールがデカイでち。
    ココロザシというものが皆無な私には無縁の世界でち。とほほ。

    1. Chieさん,Life in Los Alamosは本日を持ちまして自己啓発,自分探しのガイド役サイトに生まれ変わりました.ココロザシの無い人は噛まれまちよ.

  7. むむう、まったりとした主婦生活、してる場合じゃない気がしてきました。。(汗)
    自分の可能性を最大化できる環境、探さなきゃ。。けど、無能な私の可能性を最大化できる場所ってどこなんだろう!?旦那とワンコを残して可能性探しの放浪の旅に出かけてきていいですか・・・
    最近思うこと:Don’t worry, be puppy. 子犬はダイナミックに生きておりますね。

    1. あーにゃさん,どうせなら旦那さんとわんこと一緒に旅にでましょう.イギリスに渡って,各地のフィッシュ&チップスを食べ比べて,世界最高のフィッシュ&チップスを目指す.でもそんなに油を摂取してたら,自分の可能性を最大化する前に,自分が最大化しちゃいますね.

      子犬はほんとダイナミック.わいわいと走りまわる連中を見てると,Don’t worry ですわ.

  8. 「自分の可能性を最大化できるから」アメリカで仕事をしようと考え実行された
    ことだけでも十分にダイナミックに感じています。
    日本人は、自分で自分をがんじがらめに縛り付けて何もできないと思っている人が
    多いかもしれませんね。かくいう私たち夫婦はもろにそうです。
    言い換えれば勇気がない、怖いから色んな理由を見つけて自らがんじがらめに
    なっているのかもしれません。
    何でもやってみなきゃ結果は分からないのに。

    1. ポージィさん,そうそう,何でもやってみなきゃ結果は分かりませんよ.やらないでいるよりは,失敗してもでやってみた方が,後々後悔しない気がします.もちろん失敗の度合いにもよりますけどね.ポージィさんが自分を縛り付けて何も出来ないと思っているというのは,ちょっと意外です.ポージィさんが見せてくれる作品の数々,表現に挑んでいらっしゃる姿が見えてますよ.

  9. なんだかワンコが坂本龍馬にみえちゃうような日記ですね(笑)。
    世界って広いようで狭かったり、狭いようで広かったり。
    価値観は人によって違うので、何が良いのかはその人次第ですが。
    LiLA管理人さんは「知る」事を凄く欲求している人なんだなぁと感じます。 どんな事も知る事を目標にしているというか。 海外に出るのも海外でないと知る事が出来ない事があったからなのかなと。 広く深く知る事によって満足するタイプなのかなぁ。 キャパシティが大きいですよね。

    私は基本的に「観る」人なので、知らなくてもなんとなく観る事が出来れば良いのかなと(笑)。 広く浅く表面だけ見て回るというか(笑)。

    South Carolinaに住んでいる友人で、生まれてこのかたSCとGAにしか行ったことがないという友人が居るのですが、その友人と話していると面白いですね。 無限って外にも広がっているし中にも広がっているって感じる会話になったりします。 一箇所に40年とか住まないと知る事の出来ない奥深さというか。

    LiLA管理人さんの行き方って結構憧れる人が多いと思いますよ~。 ダイナミックです(笑)。

    1. Mooseさん,このわんこの写真,いいでしょ,なんかずっと向こうを見ているようで.
      そんなに知る事を欲求してますかねえ.好きなことには好奇心ありますが,そうでないものはそれなりに...
      日本にも,同じ町にずっと住んでいてそこから出たことの無い人ってまだいるでしょうね.でもテレビはあるんだし,さすがに江戸時代のような狭い世界ではなく,自分の頭の中に創り上げられた外と内の世界があるんでしょうか.もちろん実際に見たからといって,それが必ずしも「実物」ということにはならないのですが.
      僕はそんなにダイナミックに生きてます?最近は,出張のたびに「あーめんどくせえ」って愚痴ってるんですけど.

  10. 管理人さん、今日はなんかとってもシリアスで志の高い内容です。そしてある意味ロスアラモス国立研究所の一科学者としての心意気を感じられて感心しました。今週ラボで働く友人から、日本の東京電力からワシントンにあるエネルギー省に直接送られてきたファックスを少し訳してほしいと頼まれました。もう10年以上もお付き合いのある大変優秀な科学者です。アメリカ政府の立場からどれだけ日本の手伝いができるか彼と同僚はずっと調査のようなことをしているようです。見せられたファックスはフォントが小さくて読解不能なところもありましたが、福島原発のこれまでの経過や原子炉の見取り図などでした。こういうささやかな形でヘルプができるのもこの町に住んでいるからですね。友人と彼の部下は日本に行って実際に原子炉を見てどれだけの手助けができるかアメリカ政府からグラントをもらいたいと言っています。やはり彼らかも科学者としての純粋な志のようなものが感じられて、ロスアラモスも捨てたもんじゃないなと思いました。

    うちの主人はポスドクとしてラボに入りましたが、今ではすっかりビジネスサイドに移行してしまい、純粋なリサーチャーとしての仕事はしていません。ですから仕事関係のパーティーとなると、誰がどんな研究をしているかより、誰がどれだけの予算を扱っているか、誰がどこのディビジョンに圧力をかけているかというような、ある意味科学からかなりかけ離れたpower struggleを専門にしていて残念な気もしますが、本人はプロジェクトマネージメントに生き甲斐を見出したようですので、彼なりに自分の能力を最大化できる場所を見つけたんでしょうね。

    1. Esperanzaさん,えっと...いつもはココロザシの低いLiLA管理人です.
      事故直後,僕の方にも何か手伝いをしたいのだが,どうしたらよいかという問い合わせが来てました.でもいくら日本人だからと言って所詮海外在住ですので,持ってる情報もTEPCOの発表+メールで流れてくる諸々でさほど役には立てませんでした.せいぜい,あやしい情報を垂れ流しつづけるアメリカのニュースに翻弄されてる同僚にコメントすることくらいですかね.
      プログラムマネジメントの仕事も大事ですよ.アメリカに来て面白いと思ったのが,予算のダイナミックさです.日本は一度予算が付くと後の成果の評価が甘くなりがちですが,こっちは結構はっきりと言われますね.それだけに大学や研究所はヒーヒー言いながら仕事してるわけですが.まあ,それが良いのか悪いのか,ちょっと分かりませんけど.

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